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コールマン・ホーキンス ライブ・イン '62 & '64

ジャズの歴史において最も重要な革新者の一人として名高い、「ジャズ・サックスの父」コールマン・ホーキンスが登場!
  バイオグラフィー

収録日/1962年、1964年

収録場所/ベルギー、イギリス

インタビュー映像:
アール・クルー

ディスコグラフィー

 

 彼、コールマン・ホーキンスがいなかったら、コルトレーンもロリンズも、そしてマイケル・ブレッカーだってサックスを吹いていなかったに違いない。それほど、彼はサックスという楽器のジャズにおける主要楽器としての存在価値を高めた最大の貢献者なのである。
 コールマン少年は9歳の時、それまで両親からチェロの奏者となるべく教育を施されていたが、折りしも1920年代の熱狂的なダンス・ブームの真っ只中、ダンスのバックに流れる音楽から垣間聞こえるサックスの音色に心を奪われ、チェロからサックスに転向してしまう。そして、そのチェロの練習で培った音楽的才能がサックスに乗り移り、彼の奏法がサックスという楽器の魅力を最大限に引き出すこととなった。
 彼の流麗なブロウ(奏法)はチェロのその演奏呼吸と決して無縁ではなかったのだ。また、楽譜が流暢に読めるという強みで、どんな編成のバンドの中に放り込まれても彼の個性溢れるサックス・プレーを存分に披露することが出来た。そうして、トランペットが花形だったジャズにテナー・サックスの存在価値をより一層印象付ける結果をもたらしたのである。
 1840年代に生まれたばかりの新しい楽器、サックスは、クラシック楽曲のレパートリーも少なく、改良を重ねた新楽器の特徴でもある扱い易い楽器であるゆえ、それまでは単なる大衆音楽の賑やかし楽器として珍重されるばかりであったといわれる。
 また彼は、1934年、当時アメリカの黒人がヨーロッパに渡航するなど無謀と思われていた時期に音楽の更なる向上を目指し一人でイギリスヘ向かったりもした。アメリカ独自の音楽芸術の人気をヨーロッパに広めた貢献者としても彼は突出していたといえる。
 ジャズのスイング時代から活躍をはじめ、ビバップに移行するモダン・ジャズ・ムーヴメントの時期にはチャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、セロニアス・モンク等に大いに影響を与えたコールマン・ホーキンス。
 番組では、彼が最も歓待されるヨーロッパで収録された1962年、1964年と晩年の円熟味溢れる2つの名演奏をお送りする。1962年、ベルギーでのコンサート映像は近年発見されたばかりの貴重な演奏。ベルギー生まれでサックスという楽器の考案者、アドルフ・サックスを称えて催された、アドルフ・サックス・フェスティヴァルからの1時間に渡る完全なフルコンサート映像記録で、美しいバラード演奏を取り混ぜ、スイング感溢れるテナー・サックス・カルテットの醍醐味を披露している。
 1964年のイギリスでの演奏は、およそ1時間20分に及ぶ解説入りの完璧な公開テレビ収録版。伝説のプレイヤー、トランペッターのハリー・“スイーツ”・エディソン、ドラムスの“パパ”・ジョー・ジョーンズを迎えたクインテットで、2管編成によるモダン・ジャズの楽しさ溢れる演奏を繰り広げている。いずれも、ジャズにおけるテナー・サックスの魅力を存分に伝えてくれるコールマン・ホーキンスのベスト・パフォーマンスだ。コールマン・ホーキンス、彼が何故ジャズの歴史において最も重要な革新者の一人であるかを、この2つのコンサートが実証してくれる。

 

♪OA曲目/Disorder At The Border、Autumn Leaves、Lover Come Back To Me、Moonlight In Vermont、All The Things You Are、Stella By Starlight、Girl From Ipanema、What Is This Thing Called Love、Stoned、September Song、Willow Weep For Me、Caravan ほか

  ディスコグラフィー

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1.「ベリー・ベスト・オブ・コールマン・ホーキンス/
 ケン・バーンズ・ジャズ〜20世紀のジャズの宝物」
 (1926年-1962年録音)
2.「モンクス・ミュージック」(1957年録音)
 セロニアス・モンク・セプテット[録音メンバーとして参加]
3.「ハイ・アンド・マイティ・ホーク」(1958年録音)
4.「ジェリコの戦い」(1962年8月録音)
5.「デサフィナード」(1962年9月録音)

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