UEFA EURO 2012TM サッカー欧州選手権、グループDの強豪対決、フランス対イングランドの一戦は、気温30度というタフなコンディションで行われ、1−1のドローに終わり両チームが勝ち点1を分け合う形となった。

気温、ピッチコンディション、初戦と、様々な要因が両チームに慎重さを促した為か、試合の立ち上がりは静かなものとなった。ルーニー不在で注目されたイングランドは前線にウェルベックとヤングが並ぶ横並びのツートップを選択。一方、フランスの前線にはリベリ、ベンゼマ、ナスリの3枚が並び、ナスリが自由に動きながら攻撃のリズムを作り出す。
徐々にフランスがペースを握り始める中、最初に決定機を迎えたのはイングランドだった。14分、パーカーの絶妙な縦パスを受けたヤングがエリア内にスルーパスを送ると、それを受けたミルナーがキーパーをかわすも、バランスを崩し、角度のない所から放ったシュートは枠を外れた。その後、試合はややフランス優勢ながらこう着状態に。すると、セットプレーから先制点が生まれた。30分、右サイドからジェラードが蹴ったFKをレスコットがヘッドで合わせてゴールに押し込み、イングランドが先制に成功した。
しかし、フランスは直ぐさま反撃の狼煙を上げる。35分にセットプレーからディアラのヘディングであわやというシーンを作り出すと、直後の39分、左サイドのコンビネーションから最後はナスリが鋭いミドルシュートでGKのハートを破り同点とする。フランスはその後も相手陣内に押し込むが、追加点を奪えず前半が終了する。
後半に入っても、フランスは優勢に試合を運んだが、全体的に動きの質を高める事ができず、意識的に守りを固めるイングランドを崩すには至らない。対するイングランドは、ツートップが孤立し機能停止状態に。試合はこのままタイムアップを迎え、両チームともに次節へ向け課題を残す結果となった。
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