サッカー欧州選手権、準決勝ドイツ対イタリアは、イタリアが2‐1でドイツを退けた。3大会ぶりの決勝進出となるイタリアは、決勝戦で連覇を狙うスペインと対戦する。

期待通り、両チームが積極果敢にゴールを狙う力と力のぶつかり合いになった好勝負、序盤ゴールに近づいたのはドイツだった。しかし、DFラインを下げる事なく応戦したイタリアは左サイドに開いたカッサーノから攻撃の形を模索し、次第にリズムを作り始める。
すると20分に試合が動く。ピルロがロングボールで左サイドへ展開し、カッサーノが巧みなステップでDFをかわしてクロスを送ると、ゴール前でマークを外したバロテッリが冷静に頭で押し込みイタリアが先制に成功する。追う展開となったドイツは、攻勢を強めイタリアのコンパクトな守備に挑む。35分には、ケディラの強烈なミドルシュートでイタリアゴールに襲いかかるが、これはブッフォンが弾いてCKヘ逃れた。このCKの流れからカウンターに出たイタリアに追加点が生まれる。こぼれ球を拾ったモントリーヴォのロングフィードに反応したバロテッリが巧妙な駆け引きからGKと1対1へ持ち込み、GKに反応する暇を与えない豪快なシュートを叩き込んだ。ピンチを切り抜けたイタリアの鮮やかなカウンターが決まり点差は2点に。
後半開始から2枚の交代カードを使い、一旦は主導権を握ってゴールに近づいたドイツだったが、イタリアの巧みなベンチワークの前に攻撃が次第に停滞する。逆に試合は老獪なカウンター戦術に徹するイタリアのペースに。ドイツはDFを1枚減らし、最後はGKまで打って出るスクランブル体勢で猛攻を仕掛けたが、反撃はロスタイムに得たPKの1ゴールに留まった。
前線の悪童コンビが労を厭わず疾駆し、ピルロを中心とした質の高い中盤がこれをオーガナイズする“魅力的”なスタイルに様変わりしたアッズーリが、伝統の守備力を動員し、ドイツの野望を打ち砕いた。
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