サッカー欧州選手権、準々決勝スペイン対フランスの一戦は、連覇を狙うスペインが2‐0でフランスを下し準決勝進出を決めた。スペインは27日、決勝進出をかけてポルトガルと対戦する。
主要大会3連覇へ挑むスペインにとって、公式戦で負け続けてきたフランスとの準々決勝は、塗り替えなくてはならない歴史という、それなりに高さのあるハードルであるかのように思われたが、蓋を開けてみれば、過去の相性など物ともしない実に説得力のある勝利となった。この日のスペインのパフォーマンスは、必ずしも快心の出来とは言えない物であったが、それでも危なげなく勝利を手にするには十分だった。
スペインは中盤の主導権を盤石にすべく、大会初戦のイタリア戦と同じセスクをスタメンに並べるゼロトップ作戦で試合に臨んだ。対するフランスはサイドバックのドゥビュシーを中盤で起用する守備的な布陣を敷いた。ゲームはスペインが思惑通り中盤をコントロールする展開となり、19分に早速動きを見せた。イニエスタのスルーパスへ走り込んだジョルディ・アルバがDFを振り切って左サイドからクロスを上げると、これをファーサイドでフリーになっていたシャビ・アロンソが走り込みながら冷静にヘッドでコースを狙い、先制点を挙げる。これが代表キャップ100試合目となるシャビ・アロンソにとっては記念すべきゴールとなった。
試合は後半に入っても、概ねスペインのコントロール下で進んだ。フランスは、この日ベンチスタートだったナスリやメネズを後半の比較的速い時間帯で投入し、同点ゴールを目指すが、リードしたスペインが終止バランスを保ってポゼッションを図るなか、効果的な形を作り出す事ができない。いずれも、個人突破頼みの迫力に欠ける淡白な攻撃に留まってしまった。
そして、フランスの一縷の望みは、後半ロスタイム、シャビ・アロンソにPKを決められた事により完全に絶たれる事となった。
Photo:Getty Images