サッカー欧州選手権、準々決勝第4試合は、イングランドとイタリアが、残り一枠となったベスト4の座をかけて対戦する。この試合の勝者は、28日にワルシャワで行われるドイツとの準決勝に進出する。
はじめの2試合でエースのルーニーを欠きながら、堅守からの速攻とセットプレーの強さを武器に勝ち上がってきたイングランドは、大会直前に就任したロイ・ホジソン監督の堅実路線が浸透し、地味ながらも身の丈に合ったスタイルを確立し、ここまで負けなしで来た。一方のイタリアは、チェーザレ・プランデッリ監督が攻撃的3バックという新機軸を打ち出し、そのインパクトの強さで今大会の目玉となっている。両指揮官が語る通り、試合のペースとテンポをどちらが握るかが鍵となるであろうこのゲーム、注目したいのはイタリアの布陣だ。3バックか、4バックか。これにより、試合は大きく様相を異にする事になる。
イタリアはこの大会、3バックで臨んだゲームでは試合内容と結果が合致していない。3バックを並べた初戦と第2戦は、どちらの試合も先制しながら追いつかれ、1―1のドローに終わっている。観客を沸かせはしたが、勝ち星は得られていない。一方で、勝ちが絶対条件となった第3戦のアイルランド戦では4バックを採用し、勝利を収めている。興味深いのは、第2戦で戦ったクロアチアも、第3戦で対戦したアイルランドも、ゲーム開始時は同じ4―4―2の布陣を敷いていた点だ。多士済々な中盤を誇ったクロアチアが、ロングボール一辺倒だったアイルランドを攻撃のバリエーションで上回っていたとはいえ、前線のツートップめがけて縦に速いサッカーをすると言う点でこの2チームは類似していた。
ルーニー復帰後のイングランドは2トップが縦に並ぶ4―4―2が基本セットとなる。プレースタイルは、堅守を軸とした縦に速いサッカーだ。それに対するプランデッリ監督の解答は、ダイナミズムの3バックか、安定実績の4バックか。