
ウクライナのフットボール界史上最高の選手であるFWシェフチェンコが、ここまでエースストライカーとしても主将としても支えてきた母国代表からの引退を正式に発表した。
ウクライナ代表は19日、イングランド代表に1‐0で敗れてグループリーグ敗退が決定したが、負傷により後半途中からの出場となったシェフチェンコは、試合後のインタビューで次のようにコメントした。
「この試合が自分にとって最後の公式戦となった。まだ決めた訳ではないが、サポーターに別れを告げるためのフレンドリー・マッチのようなものを、もう1試合だけ行うことになるだろう。ここまで声援を送ってくれた全てのファンに感謝の気持ちを伝えたい」
シェフチェンコはまた、母国開催のユーロに賭けてきた強い思いを説明すると共に、サポーターへの感謝の意を示した。
「自分にとって最後のトーナメントになると分かっていた今大会に向けては、最高の準備を進めてきた。ホームの大観衆の前で最後の国際大会を戦えるというのは、あらゆる選手にとって最高のプレゼントと言えるだろう。自分はこれまで持てる全ての情熱をフットボールに注いできた。ファンが僕のことをいつでも歓迎し、愛してくれるのは、そういった姿勢によるものだろう」
一方、1点ビハインドで迎えた62分に、デヴィッチが放ったシュートがゴールラインを割ったものの、得点が認められなかったことについて触れたシェフチェンコは、不運な形での大会敗退を嘆いた。
「僕達はもっと良い成果を得るに値するプレーをした。多くのチャンスを作ったし、実際にゴールネットを揺らした。あのゴールが認められていれば、試合の流れは大きく変わっていたはずだ。勢いを増した僕らは勝利を手にしていたことだろう。第5審判はゴールマウスのすぐそばにいたというのに、不運としか言いようがない。僕達にとっては大会敗退という厳しい結末となったが、現実は変えようがない」
とはいえシェフチェンコは、自身に続く若手の実力にウクライナ代表の将来を託した。
「新しい選手たちに居場所を作るべき時が来たと思っている。ウクライナには輝かしい未来が待ち受けている。それは今日の試合でもしっかりと示されたはずだ。ヤルモレンコ、コノプリャンカ、ガルマシュ、ラキツキーといった若手が、今大会でたくさんの経験を得られたのは、極めて大きな意味を持つ」
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