[ 2013.1.18 ] グラミー授賞式に見るライブ・パフォーマンスの楽しみ方
■演出を含めたステージングは日本の音楽シーンにも影響する
次に演出を含めたステージングの部分では例えば昨年のクリス・ブラウンのステージではプロジェクション・マッピング(昨年リニューアルされた東京駅舎の壁面への映像投影と言えば、ご理解いただけますでしょうか)とアクロバティックなダンスの組み合わせが効果的でしたが、このあたりの演出は日本のアーティストのステージでもかなり増えつつありますし、プロジェクション・マッピングのステージへの導入は今後も増えていくのではないかと思います。
個人的にはブルーノ・マーズのポップでベタなステージングは全盛期のラッツ&スターやチェッカーズを彷彿とさせていたので、彼らが注目を浴びたら、同じようなバンドが日本でも売れてくるかもと楽しみにしているのですが。
また昨年、日本ではプリンセスプリンセスが再結成をして大注目を浴び東京ドーム2デイズ公演まで成功させて話題になりましたが、グラミー授賞式でのパフォーマンスで再結成を果たしたバンドが多い事にも注目したいですね。昨年の授賞式ではビーチボーイズが再結成し、そのステージではマルーン5等とも共演。2007年の第49回の授賞式ではポリスも待望の再結成を果たしています。今年は再結成ものは現時点ではなさそうですが、引き続き期待したいところです。
■日本のアーティストに与える影響も大きい。ある意味日本の音楽業界の羅針盤とも言える
とにもかくにもグラミー賞は音楽業界では世界中で最も栄誉と権威のある賞であり、セールス含め様々な面で影響力があるので、音楽ファンはもちろんの事、世界各国の、そして日本のアーティスト自身も非常に注目しているのも事実です。現にこの原稿執筆にあたり、何組かのアーティストにリサーチをしてみたところ、「日本の音楽業界の羅針盤とも言えるんじゃないかなぁ」「授賞式のパフォーマンスは照明、セット、特効(特殊効果)含めて参考にしてるんですよ」そして、もちろん「いつかはグラミーを、ナンテ(笑)」等々の答えが返ってきました。
今年のパフォーマンスも、FUN.など豪華アーティストがどんなステージを見せてくれるのか楽しみです。みなさんもグラミー賞は誰が受賞するのかだけではなくどんなパフォーマンスが繰り広げられるのかに注目して観てみるのはいかがでしょうか。
萩原要
ソニー・ミュージック入社後、約20年に渡り音楽雑誌編集に携わる傍ら、PATi-PATI編集長、WHAT's IN?編集長、潟Gンタテインメントプラス プロデューサー、(株)ホールネットワーク チーフプロデューサー等を歴任。現在はZepp DiverCity(TOKYO)の支配人としてライブ・エンタテインメントを通じ音楽業界を支え続けている。
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