アルゼンチンの首都であり、都市圏人口1300万人を誇る南米有数の大都市。市内には、スペインコロニアル様式やフランス様式の建物が多く見られ、ヨーロッパ調の美しい町並みが続いています。中心部でも裏道に入ると石畳が広がり、どこかノスタルジックな雰囲気が漂う街です。
市内には、レティロ駅、コンスティトゥシオン駅、オンセ駅の3つの鉄道ターミナル駅があります。 |
スブテ |
地下鉄を意味する「スブテラネオ」を略して「スブテ」。歴史は古く、最古のA線は1913年開業。大正時代に東京初の地下鉄(浅草・上野間=現在の銀座線)が計画された際、参考にしたとか。日本製車両をはじめ世界の新旧さまざまな車両を見ることができ、鉄道好きには楽しい路線です。構内には軽食屋なども並び、さながら日本の「エキナカ」といったところ。各駅にある駅名にちなんだタイル壁画は、有名な芸術家の作品なのだそうです。
A線は車両も駅構内もレトロで、木造車両も走行しています。大統領府カサ・ロサダのある五月広場からカバジート地区までを結び、沿線には国会議事堂、オンセ地区などが。五月広場に面した大聖堂は1827年に建てられ、アルゼンチン、ペルー、チリを独立させたリベルタドール(開放の父)、ホセ・デ・サンマルティン将軍の棺が安置されています。 今回は、D線で五月広場からパレルモ地区の公園を目指し、日本でもなじみのある大統領夫人エヴィータの足跡を訪ねます。 |
最先端の路面電車セレリス |
市内プエルト・マデロ地区は港湾施設だった地域を再開発した、いわば「ブエノスのお台場」。古い倉庫がレストランや店舗に生まれ変わり、新しい観光スポットとして脚光を浴びています。ここでは7月25日に一部開業したばかりの路面電車「Tranvia del Este(通称セレリス)」が2kmに渡って運行しています。近代的なフランス製車両はスブテとは対照的で、この地域によく似合っています。
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ボカ |
港では、ボカ地区で本場のアルゼンチンタンゴを堪能。かつて移民たちはこの港に新しい第一歩を記しました。イタリア、スペイン系を中心としたヨーロッパ移民、アフリカ系の人々など、19世紀末のボカは人種のるつぼ。タンゴはここで、アフリカのカンドンベ、キューバのハバネラ、アルゼンチンのフォルクローレ、ブラジルの音楽などなど、多様な文化の影響を受けて生まれたのです。当時は貧しい人々が生活の辛さを紛らわすために踊ったとも、船乗りが港の娼婦を相手に踊ったともいわれています。
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ブエノスアイレスから北へ30km、パラナ川河口のデルタ地帯に面した風光明美な水郷地帯。周辺は川や水路、島に囲まれ、週末はたくさんの人でにぎわいます。川辺を散歩したり舟遊びをするだけでなく、メルカド・デ・ラス・フルータス(果物市場)という大きな市場も人気のスポット。果物だけでなく、革製品、竹、籐、木材製品、食料品、動植物、家具類など、どんなものでも見つかります。ブエノス市民の生活を垣間見られると同時に、アルゼンチン特有のアイテムがいろいろあるので、お土産探しにもぴったりです。
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海岸鉄道とTBAミトレ線 |
ティグレへは電車が最も便利で、2路線が利用できます。まず、観光列車として知られる海岸鉄道(トレイン・デ・ラコスタ)。マイプ駅から毎時3本が運行し、終点デルタ駅まで約1時間半、ラプラタ川に沿った住宅地を走ります。もうひとつはミトレ線。レティロ駅から約1時間です。ミトレ線の場合はバルトロメ・ミトレ行きに乗り、終点で海岸鉄道に乗り換えてもOK。時間はかかりますが、川辺の風景が目を楽しませてくれます。
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ブエノスアイレスからロカ線に乗って約5時間半。大西洋に沿って400km南下すると、アルゼンチン最大のビーチリゾート、マル・デル・プラタに到着します。ヨーロッパの船乗りたちから『アルゼンチンの楽園』と呼ばれた美しいビーチ、南米のモナコと異名を取る国営のカジノ、その他にも水族館や動物園があり、ハイシーズンには「ブエノスがそっくり移動してきた」といわれるほど観光客であふれます。国内最大の漁港もあるので、新鮮な魚介類も美味。港にはその恩恵に預かろうと、オタリアたちも群れています。
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