クリスマスだけどクリスマスじゃない!
“ An Unconventional Nightmare before Christmas ”
デザイナーたちが向かったのは、サウス・ストリート・シーポート。今回は生地店ではない店で材料を仕入れる番組名物の「変則テーマ」だと発表があり、過去の出場シーズンで苦手意識を持ったエミリオやカサノヴァは不安を感じる。指定された店はクリスマス・ストア。「材料をその店で買ったと分からない服にする」という条件のもと、デザイナーたちはクリスマスを思わせる服にならないようにと悩みながら材料を選び……。

女優 / プロデューサー
ララ・アンソニー

ポップ・アイコン
カイリー・ミノーグ
さて、そんななかで優勝を手にしたのが、装飾物はおまかせあれのウーリ。ボディラインにそって表情豊かに仕上げた一着は、夢のように美しかったですよね。同じような装飾ドレスを作り、高得点だったアンソニー・ライアンに比べ、ウーリの作品はクチュールレベルが高かったのが勝因でしょう。アンソニーはメリハリの効いた素材使いでパワフルなステージ衣裳を作り上げたのに対し、ウーリの作品はまるで贅を極めたオートクチュールドレスのよう。構築的に散りばめたオーナメントは、浮き出たような立体的な柄に。絶妙な配置によって、チープなクリスマスグッズを繊細で手の込んだパーツに見せていました。ウーリの装飾技術はただものじゃありません!
とはいえ、デザイナーとしての実力は別問題です! 彼が出演したシーズン8の時よりも、デザインスキルや仕立ての腕は上がったようですが、いかんせん洗練度が足りない。今回のテーマでそれが改めて露見したようです。三つ編みで作ったバスト周り、シワのようなドレープなど、すべてのパーツがちぐはぐ。バラバラのディテールが混在しているので、見ていると胸がざわざわしてくるんですよね。パーツが互いを殺しあっているので、チープなものがよりチープに。最初から確固たる世界観をもって材料を入手していたら、ここまでにはならなかったはずです。しかし親友でもあったアイヴィーは、今後さみしくなるでしょうね…。今後の作品に響かなければよいのですが。。