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12月2日より、かつてゴールドラッシュで栄えたオーロ・プレットを取材。ポルトガルの入植で発展した町だが、それを支えたのはアフリカから連れて来られた奴隷たちであった。ここはブラジル独立運動の父・チラデンチス縁の地でもある。しかし現地の人は言った。「我々にはチラデンチスよりも大切な人がいる。それは家族です!」 そうだよね、俺も会ったこともない福沢諭吉より家族の方が大事だもんな、などと思う。また、サブコーディネーターの宮本さんは言った。「ブラジルは本当に人種差別が少ない国だと思う。それと本当にありがたいのは、日本人=勤勉というイメージを作ってくれたかつての日系移民たち。こんな僕でもみんな尊敬の目で見てくれるんですよ」と。こんな話も聞いた。日本人男性はブラジル人女性にモテる、なぜなら真面目に仕事をすると思われているから。 |
治安の悪化や貧富の格差など問題は山積しているが、ブラジルを知る人は「世界中で最も住みやすく、生きやすい国だ」と言う。それは、国の根底を支えたアフリカ人奴隷たちが、良いものは良いと判断し、差別が少ない国へと導いたからなのかもしれない。
古い格闘技ファンには懐かしい名前、ボボ・ブラジル。「頭突き世界一決定戦」で必殺「ココバット」を連発したレスラーだ。リングネームは「人種差別のないブラジルに行きたい」という、幼少時の夢から付けたという。オーロ・プレットのアフリカ系移民の歴史や、身近な人から聞いたいろいろな逸話を思うと、彼のココバットを受けたように脳天がクラクラしてしまうのであった。この国民の寛大さ、本当にいろんな意味でブラジルは大国である。 |
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元来の身体能力で世界のサッカー界を圧倒するブラジル。サンバの熱気で世界を陽気にするブラジル。そして、身長230cm・格闘技界史上最大の選手というギミックを持つジャイアント・シルバが生まれたブラジル。その多様な魅力は計り知れない。ロシア、中国、カナダ、アメリカに次ぐ、世界第5位の国土面積を誇るこの大国は、優しさと可能性に満ちている。そして、そこに貢献している日本人が少なからずいることも、実感できた今回の取材であった。 |
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