1782年にチャオプラヤー川の西岸から東岸に遷都されて以来、ダイナミックに発展し続けるタイの首都。タイ国内では破格の大都会で、高架道路や高層ビルが林立しています。その反面、伝統的な水上生活や数多くの仏教寺院、混沌とした屋台街などが観光客を引きつけてやみません。見どころ満載のこの街は、1999年の国王の誕生日に開通した高架鉄道・BTS(スカイトレイン)で巡るのが便利です。 |
ワット・プラケオ |
タイで最も格式の高い王室寺院。観光客はもちろん、敬虔な仏教徒が多いタイ市民が絶えず訪れ、熱心に祈りを捧げています。広大な敷地には王宮もあり、このエリアがバンコク発祥の地。ワット・プラケオの本尊は翡翠でできており、その色から「エメラルド寺院」という別名でも呼ばれています。エメラルド仏は年に3回衣替えをしますが、その作業をするのは王族にしか許されていません。
|
バンコクのファランポーン駅から、タイ国鉄で一路アユタヤへ。熱帯のジャングルを駆け抜け、インドシナ半島を66Km北上すると、1時間半ほどで到着します。アユタヤ王朝は14世紀半ばから400年も繁栄を極め、17世紀には朱印船貿易により日本人町もありました。しかし度重なるビルマ軍との戦いによって徹底的に破壊され、今は顔のない仏像や崩れ落ちたチェディ(仏塔)たちが、静寂の中に存在するのみです。 |
ワット・プラ・シー・サンペット |
バンコクにおけるワット・プラケオにあたる、王室の守護寺院。1491年に建てられ、高さ16m、重さ171kgの黄金の仏像も安置されるアユタヤ最大規模の寺でしたが、1767年のビルマ軍侵略により破壊されました。残っている3基のセイロン様式チェディは15世紀に建てられ、歴代3人の王の遺骨が納められています。 |
ワット・マハタート |
ワット・プラ・シー・サンペットの仏塔と並んでアユタヤの象徴となっているのが、ワット・マハタートの仏像。ビルマ軍に斬り落とされた頭部が大きな木の根に取り込まれ、死してなお威光を放つように柔和な顔を見せています。13世紀に建てられた王室ゆかりの重要な寺院で、1956年に地下から発見された仏像や宝飾品は国立博物館に展示されています。 |
ウィハーン・プラ・モンコン・ポピット |
1603年、ラーマティボディ2世により設立。高さ17mもあるタイ最大のブロンズ製の仏像が安置されています。この寺もビルマに破壊されましたが、ラーマ5世の時代に再建。1951年の修理の際には、仏像の体内から何百体もの小さな仏像が発見されたそうです。 |
アユタヤ駅より約5時間で、スコタイの最寄駅ピサヌロークへ到着。タイ族最初の独立国家、13〜15世紀に栄えたスコタイ王朝の遺跡が広がる町へ向かいます。スコタイを最も繁栄させた第3代王ラームカムヘンは、仏教を取り入れる、独自の陶芸技術を発展させる、タイ文字を考案して石碑に刻むなど、文化的偉業を数々成し遂げた名君といわれています。仏教を推進した王の教えは今も残り、街角には托鉢する僧侶と丁重に対応する市民の姿が。市場では功徳を表すカメやウナギが売られています。 |
ワット・マハタート |
城壁内のぼぼ中央に建つスコタイ王朝寺院。広い境内に209基の塔、10の礼拝堂、8つのお堂、4つの池が点在しています。デザインもスコタイ、スリランカ、アユタヤ、クメールなど様々な様式を取り入れており、遺跡公園の中でも傑出した美しさとスケール。蓮の池越しに全体を眺めると、陽光の中でもライトアップされた夕闇の中でも素晴らしい景色。極楽浄土にでも来たかというほど幻想的です。
|
ワット・シー・チュム |
城壁の北側に位置する、スコタイを象徴する寺院。厚さ3mもある壁に四方を囲まれて、高さ15m、横幅11mの漆喰の坐仏像が鎮座しています。ラームカムヘン王の碑文により、この仏像は「アチャナ仏(恐れない者の意味)」と呼ばれ、多くの信仰を集めています。
|
タイ国鉄はいよいよ終着駅へ。タイ北部最大の町チェンマイは、13世紀にメンラーイ王がラーンナー・タイ王朝を開いた場所です。100を超える寺院、山岳民族の独特な文化、伝統の手工芸品の工房、ナイトバザールなど、見どころはさまざま。大都会バンコクなどと比較すると人も町も穏やかで、気候も涼しく、のんびり滞在したくなる町です。
|
ワット・チェン・マン |
メンラーイ王が王朝を開いた際に建立した、チェンマイで最も古い寺院。宮殿として使われていたこともあります。1993年に修復された本堂には2体の仏像が安置され、うち1体は水晶製で1800年前に作られたもの。もう1体はさらに古く、大理石でできているそうです。15頭の象に囲まれた仏塔も壮観です。
|
メーテン・エレファント・キャンプ |
チェンマイから東へ車で1時間。メーテンの豊かな自然の中にあるエレファントキャンプでは、「神の使い」といわれる象と身近に触れ合うことができます。ショーを見物したり、一緒に記念撮影するだけでも良し。乗馬ならぬ「乗象」ツアーに出かけるも良し。カレン族の村を訪ねたり、森を抜けたり川を渡ったりとチェンマイならではの自然の懐に飛び込むことができます。
|