クアラルンプールは19世紀半ば、スズ鉱山開発のために開拓され、その発掘拠点として栄えてきた歴史があります。KLセントラル駅からマレー鉄道に乗車。まずは近郊の高原リゾート、キャメロンハイランドを目指します。
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スズ鉱山 |
19世紀初頭にスズの鉱脈が発見されると、植民地化を進めていたイギリスは巨大資本にものをいわせて積極的に採掘を進め、各鉱山から港へ運搬するための鉄道をどんどん敷きました。こうしてマレーシアでは鉄道網が急速に整備され、また、鉱山で働くために中国系をはじめとする移民が大量に流入して街が発展していきました。しかし20世紀の終わりになるとスズ産業は終焉を迎え、現在は山間部に多くの廃鉱がむき出しのまま残されています。
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イポー |
小さな盆地の村にすぎなかったイポーがマレーシアで3番目に大きな都市になったのは、19世紀末にキンタ峡谷でスズ採掘が始まってから。主に中国系移民が鉱山労働者として大勢流入したことで発展し、今でも人口の70%を華人が占めています。クアラルンプールとペナンのちょうど中間に位置し、交通の要衝としても栄えています。
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イポーで途中下車し、バスで3時間半。キャメロンハイランドは標高約1500mの高原リゾートです。熱帯を忘れさせる清々しい空気の中、美しい景観をトレッキングで楽しむ人がのんびりと滞在しています。紅茶や花、果樹、高原野菜の農園を訪ねたり、ジャングルへ滝を見物に行ったり、思う存分ゴルフに興じたり、雄大な自然に思い切り触れてみたいもの。
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スンガイ・パラス・ボー・ティー園 |
年間60万kgの生産量を誇る、マレーシア最大の紅茶農園。ここのアッサムティーはできるだけ手摘みで収穫され、宮廷でも親しまれている高級品です。緩やかな山の斜面を覆い尽くす、広大な茶畑の眺めは壮観。ファクトリーを見学した後は、ここで採れた紅茶をティー・ラウンジで楽しむことができます。 |
バタフライ・ファーム |
熱帯ならではの美しい蝶々が約300種類も見ることができます。他に100数種類もの昆虫、珍しい熱帯植物やヘビなども飼育されており、見るだけでなくガイドが生態や飼育法方法を教えてくれるそう。国蝶のラジャ・ブルックやゴールデン・ビートル(金虫)など、その色彩美は一見の価値ありです。 |
リゾートと観光地、両方の魅力を兼ね備えたペナン島には、世界中から観光客が訪れます。ビーチはもちろん、イギリス統治時代の面影を残すエキゾチックな雰囲気や、安くておいしいレストランも評判。東西貿易を中継する自由港として多様な文化が根付いたため、さまざまな様式の歴史的遺産が残っており、特にジョージタウンは世界遺産に登録されています。
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クーコンシ |
1835年に中国の福建省からペナンに渡って来た、邸氏一族が造った中国寺院。屋根や外壁に細かな彫刻が施され、その装飾だけでなんと25トンにもなるとか。ペナンに数ある「コンシ(中国式廟)」の中でも、最も美しいといわれています。
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中国人屋台街 |
華人の比率が70%を占めるペナンでは、中華料理・屋台料理がとても安くておいしいと評判。マレーシアで一番と地元の人々が自慢するだけあり、味、種類、数ともに相当のものです。有名な屋台街はジョージタウンの「ガーニー・ドライブ」や「ゴールデン・イーグル」ですが、街角のなにげない屋台もハズレがないのだとか。ペナンっ子は舌が肥えているので、まずい店はすぐ淘汰されてしまうそうです。
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マレーシア北部、ケダー州の州都。タイ文化の影響も見られる国境に近い街です。観光客は決して多くはありませんが、かつて王都として栄えた長い歴史を持ち、古き良きマレー文化に触れることができます。また、ラーマン初代首相とマハティール前首相の、二人の首相を輩出したことでも知られています。
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ザイール・モスク |
1912年に建てられ、マレーシア国内で最も美しく大きいイスラム建築といわれるモスク。街のシンボルにふさわしく、印象深い荘厳な姿で佇んでいます。
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マハティール前首相の生家 |
王室関係の施設と並んでアロー・スターの名所となっているのが、マハティール前首相の生家。前首相と家族に関する品々が展示されていて、隣の建物には彼の医師として、そして政治家としてのキャリアを紹介する品々が公開されています。20年にも及ぶ在任期間中、マレーシア経済を発展させてきた功績は大きく、地元の人々の自慢でもあります。
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