センターコートで昨年マレーが流した涙は忘れられない。1936年以来の自国チャンピオンというイギリスの夢を背負い、スコットランド出身のテニスヒーローはウィンブルドンの決勝に初めて進んだが、フェデラーに敗れた。その後、ロンドン五輪で金メダル獲得、全米オープンではグランドスラム5度目の決勝にして初制覇。

　昨年からコーチについた元王者イワン・レンドルのもと、硬軟自在のセンスあふれるプレーに磨きをかけ、メンタルも強化。リターン力に定評があり、190センチの長身から放つサーブは勝負どころでモノを言う。今季は全豪で準優勝し、3月のマイアミでは9度目のマスターズシリーズ優勝を達成。次こそウィンブルドンと期待が膨らむが、5月に背中の故障で戦線離脱。全仏も欠場しており、状態が気になる。