#8 オークションの行方 Hammertime
ミロシュが消息を絶ってから一週間が経過する。ボリスやハンクが対応策を話し合うなか、彼は突然シャドー・ポンドに現れる。このときミロシュはオークションのカタログを見つけ、シャドー・ポンドの品々が売りに出されることを知る。間もなく彼はオークションの下見をしたいと屋敷を訪ねる。
このとき応対したのはペイジだった。焦ったハンクたちは屋敷に急行し、エヴァンが勢い余ってミロシュに体当たりする。彼はエヴァンの慌てぶりに不審そうな表情を浮かべるが、一連の計画には気づかない。
オークションはあくまでミロシュをアメリカに誘い出すための口実だった。しかし彼の登場でボリスは計画を変更する。実際にオークションを開催し、ミロシュの狙いを突き止めることにしたのだ。この直後、ラッセルが急な事故で負傷したとしてペイジが代理としてオークショニアを勤める。
オークションが始まるとミロシュは次々と品物を競り落とす。ボリスが確認したところ、それらは全て「時」に関係していた。ミロシュは幼少期、ボリスからサン・ジェルマン伯爵の伝説を聞いていた。それは伯爵が不老不死の薬を手に入れ、時計に隠し持っているという内容だった。
実は、ミロシュは病気の進行と共に痴呆症を発症し、存在しない治療薬を求めて数々の犯罪を犯していたのだ。シャドー・ポンドの品物を競り落としていたのもそのためだった。このあとミロシュはエヴァンやペイジ、ラッセルの協力のもと逮捕される。
だが一連の出来事のさなか、ペイジとエヴァンの間には小さな溝が生まれる。エヴァンは「ハンクに口止めされ、直前まで事情を言えなかった」と伝える。するとペイジは「エヴァンが自分の意思で決めるべきだ」と反論する。
その頃ディヴィヤは、熟年カップルのバートとビーを診察する。ビーは発疹や関節痛や微熱、バートは手足の腫れに悩まされていた。
診察の結果、ビーはペニシリン・アレルギーを起こしていたと判明する。原因はバードの処方薬だった。ビーは性交渉でバートからペニシリンを摂取していたのだ。またバートの不調の原因は、溶連菌感染後糸球体腎炎だった。こうして二人は治療のため同じ病室で過ごす。
●今回のゲスト
新しい患者で夫のバート役はロバート・クライン。1970年代から活躍する大ベテラン。近年の出演作はTVシリーズ「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」「グッド・ワイフ」“Heartland”ほか。長寿のコメディ・バラエティ「サタデー・ナイト・ライブ」にも名前がクレジットされています。
妻のビー役はビヴァリー・トッド。TVシリーズ“Days of Our Lives”のほか「クリミナル・マインド」「グレイズ・アナトミ」など人気作品にも出演。
ディヴィヤに全く相手にされなかったウェイド役はエーリク・ヘーガー。「マイケル・J・フォックス・ショウ」「SMASH」ほかに出演。
●ローン・ボウリング
バートが参加しているローン・ボウリング。これは芝生で重心の偏ったボールを投げ、的までの距離を競うというスポーツ。
「ローン・ボウリング」の英語は“Lawn Bowling”。“lawn”は「芝生」という意味です。
●オークショニア
倒れたラッセルに代わり、ペイジはオークションの仕切り役を行います。この仕切り役の正式名称が「オークショニア」。調べたところラッセルやペイジのように、作品選びや査定を行うのもオークショニアの仕事だとか。深い知識と冷静な判断力が要求されるんですね!
●コイーバ・ブランド
オークションで最初に登場したヒュミドール(煙草や葉巻の保存箱)。「コイーバ」とはキューバのハバナ州で生産されている葉巻の銘柄です。
●オルモル装飾
37番目に登場した、ルイ王朝様式のグランドピアノ。ペイジは「オルモル装飾つき」と紹介しました。
「オルモル装飾」は中世ヨーロッパで生まれた、銅を金メッキした装飾技法。画像検索したところ草花をモチーフにした、繊細かつ艶やかな調度品が多数ヒットしました!
●アル・ジャザリ
38番目に登場したのは代物の燭台。アル・ジャザリによるデザインです。
アル・ジャザリは12世紀から13世紀に活躍した人物。発明・数学・芸術・天文学・文学などの分野で多彩な才能を発揮したということです。
●サン・ジェルマン伯爵
ボリスはミロシュにサン・ジェルマン伯爵の伝説を話して聞かせました。サン・ジェルマン伯爵は実在の人物と言われており、その生涯は多くの謎に包まれているのだとか。彼には「不老不死」のほか「王族との縁者」「秘密結社の指導者」などの伝説が残っています。
●印象的な音楽
オークションが始まった時に流れる曲は、Cloud Cultの“Sleepwalker”です。