#7 甘い同居生活? Chock Full O'Nuts
ハンクはスポーツジムのスタッフ、ベンを診察する。彼は顎の痛みを訴えるが歯に異常は無い。しかし気づいた時には足が痺れている。
間もなく彼はクラスの途中、頭の激痛で倒れてしまう。原因は動脈壁の内側が裂ける脊椎分離だった。ベンはロック音楽をかけながらレッスンを行っていた。音楽に合わせて首を上下させる運動が体に負荷を与え、動脈壁の乖離を引き起こしたのだった。ハンクは投薬による治療を行い、頭を振る動作を控えるよう助言する。
一方ディヴィヤは菓子職人のグリアを診察する。彼女は事業の拡大を目指しているがスタッフを雇って以来、体調不良に悩まされている。
そんな時、彼女はゴムベラを天板に置き忘れてオーブンをダメにする。これを見たディヴィヤはジェレマイアに頼み、自宅のキッチンを使わせてもらう。「綺麗に使う」と約束したディヴィヤだったが、グリアが作業の途中で喉を詰まらせてパニックに。気づけばキッチンは大量のチョコレートで恐ろしいほど汚れてしまう。
検査の結果、グリアは食道狭窄症と判明し「バルーン拡張」を行う。この病気の原因はストレスだ。このためディヴィヤは「独りで仕事を抱え込まず、体の負担を軽くすべきだ」と助言する。こうしてグリアは新しい仲間たちと菓子作りを再開し、ディヴィヤはキッチンを汚した件をジェレマイアに謝罪する。すると彼は「自分が変わる機会だ。好きなだけうちに居ていい」と返答する。
この頃ハンク・メドではシンフォニーとの契約を巡り、交渉役のケンとシェルビーが激しく対立する。それを見たハンクは「合意するまで部屋を出るな」と二人に忠告する。間もなく彼らは納得し、契約が成立する。ところが二人が関係を持っていたことが判明し、ハンクは唖然とする。
一方、ローソン夫妻はペイジの購入したオブジェを巡って喧嘩となる。彼女はエヴァンに作品の価値を否定されて逆上し、その勢いで返品してしまう。しかしエヴァンは、ペイジを尊重する大切さに気づいて作品を買い戻す。部屋に飾られた作品を見たペイジは感激し、二人は仲直りする。
ハンク・メドとシンフォニーが契約を交わした頃、ボリスからハンクに連絡が入る。それはミロシュが姿を消したという知らせだった。これを知ったハンクとエヴァンは危機感を募らせる。
●今回のゲスト
スポーツジムのトレーナー、ベン役を演じているのはジョシュ・クック。TVシリーズ「ハート・オブ・ディクシー ドクターハートの診療日記」 “Manhattan” “Better with You”ほかに出演。
菓子職人グリア役はコレット・ウォルフ。TVシリーズ「ザ・オフィス」「MAD MEN マッドメン」“Next Caller” “Fetching”などに出演ていします。
●クリスティ・ブリンクリー
前半ラッセルは、オークションの準備に追われるペイジに「クリスティ・ブリンクリーの屋敷のオークションを扱った」と騙ります。
クリスティ・ブリンクリーはアメリカのモデル。1954年生まれの彼女は今でも抜群のスタイルと美貌を保ち、豊かな金髪が印象的です。実はクリスティ、不動産を中心に数千万ドルの資産を保有していると言われています。そんな大富豪の屋敷のオークションを手がけたなんて、ラッセルはすごい!
●カーメロ・アンソニー
前半、ケン・ケラーは「コンシェルジュ・ビジネスの契約で大金を勝ち取る」と鼻息荒く語り、ハンクは「カーメロ・アンソニーとは違う」とウンザリ気味に返答します。
カーメロ・アンソニーはNBAの選手のこと。オリンピックではアテネ、北京、ロンドンと三大会連続で選出され、銅メダル1つと金メダル2つの獲得に貢献しました。
●ドリアン・グレイ
中盤、ディヴィヤは改修中のアパートについてハンクに語ります。このとき彼女は「ドリアン・グレイ」という色見本を取り出します。
ドリアン・グレイとは、オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』の主人公。美貌の青年オスカーは、自分の容姿が衰えるのを恐れ、次第に悪へと手を染めます。そうして彼が悪事を重ねる度、自身の肖像画が醜くなっていくという展開です。
●シリアルの形
アート作品を巡り、口論になったエヴァンとペイジ。後半、仲直りした二人が作品を見つめていると、エヴァンは「ブルーの三角やグリーンの三日月も欲しい」と言い始めます。これを聞いたペイジは、エヴァンがシリアルの形に重ねていることに気づきます。
このときの原文は「ラッキー・チャームと比べているの?(Are you comparing our piece to Lucky Charms?)」
“Lucky charm”はアメリカの代表的なシリアル。アルファベットの形をした、色鮮やかなシリアルが特徴的です。
●印象的な音楽
冒頭、スポーツジムでかかる曲はE-40の“Go Hard Or Go Home”。
ハンクが、転倒したケンを処置するシーンで流れているのはMegha Maanの“Higher”。
中盤、ベンがトレーニング中に聴いているのはKOVASの“Wax On Wax Off”。
後半のスポーツジムで、ベンが倒れた時に流れているのはEmazinの“Work At”です。