#5 めまい Vertigo
ハンク・メドは新たな患者サンティと出会う。彼は子供たちの楽団を指揮している途中で舞台から転落した。検査の結果、異常は見つからなかったのだが、彼はしばらくして目眩を起こす。
そこでディヴィヤが専門医を予約するが、サンティは予定を忘れてミキシングに没頭している。このとき彼は「音に深みがない」とこぼすが、ディヴィヤの耳には重厚でクリアなサウンドが響く。このことから彼女は、サンティが伝音難聴に陥っていると気づく。だがこれは単なる難聴ではなかった。
舞台から転落後、彼は作曲に取り組んでおり、曲の各パートは体内の様々な音にシンクロしていた。この現象からハンクとディヴィヤはサンティが、内耳骨の割れによる「トゥリオ現象」を引き起こしていると突き止める。幸い、聴力は軟組織の移植で治療が可能だった。このことを知ったサンティは安心して入院する。
一方、警察官のドンがハンクの再診を受ける。彼は羞明(しゅうめい)と疲れ、咳や浅い呼吸などの症状を訴える。そして検査の結果、難病のサルコイドーシスだと判明する。父親の異変を知ったモリーは「パパが死んだらあんたのせいだ」とハンクに告げる。
その頃、エヴァンは町議選に出馬するため立候補に必要な署名集めに奔走する。同じ頃、ブライズがシャガールの作品を手放すことになり、ペイジが偶然にも梱包と運搬を担当する。
作業のさなか、彼女はブライズが作品を心から愛していることを知る。そうしてブライズが石けん置きにしている皿が年代物の調度品であることに気づく。こうしてペイジは「皿を売ればシャガールを手放さずに済む」と助言。この結果ブライズは誠実な彼女の対応に感動し、条例の見直しを約束する。だがエヴァンは「ブライズが自分を恐れて妥協した」と誤解し、ますます町議選への意欲を燃やす。
●新しい顔ぶれ
第5シーズンもいよいよ5話。シーズンの中心となる顔ぶれが揃ってきましたよ〜。
そこで今シーズン注目の人物を一気に紹介したいと思います!
【エヴァンの天敵ブライズ!】
様々な場面でエヴァンと対立するセレブのブライズ・バラッド。演じているのはフランセス・コンロイです。
2004年「シックス・フィート・アンダー」でゴールデングローブ賞テレビドラマ部門の女優賞を受賞。またエミー賞や全米映画俳優組合賞の常連でもあります。さらにブロードウェイ作品“The Ride Down Mt. Morgan”では主演女優賞にノミネートされています。
日本語吹替版の声を演じるのは高島雅羅さんです。
【ドン】
第5話では、お騒がせ(?)親子のドンとモリーが再登場!
警察官で父親のドン役を演じるのはブラッド・バイアー。TVシリーズ「NCIS」“GCB” “Extant”ほか多数の作品に出演しています。日本語吹替版の声を演じているのは山本格さんです。
【モリー】
モリー役を演じるのはアレクサンドラ・ソーシャ。主な出演作は「ダメージ5」“The Big C”ほか。
実は彼女、ラッセル役のスティーヴン・スピネラと同じくブロードウェイの出身です。17歳の時ロックミュージカル“Spring Awakening”で初舞台を踏んでいます。日本語吹替版で演じているのは三木美さんです。
【今回のゲスト/サンティ】
楽団の指導者サンティ役を演じるのはデヴィッド・アルペイ。カナダのトロント出身の俳優です。
「THE TUDORS 〜背徳の王冠〜」のマーク役や「ヴァンパイア・ダイアリーズ」のシェーン教授役でご存じの方も多いのでは?
大学時代はコンピューター・サイエンスを学んでいたそうですが、同級生の書いた脚本で舞台に出たのをきっかけに演技に目覚めたのだとか。
今回のエピソードではバイオリンの演奏を披露。実は彼、プロのミュージシャンでもあります。バンクーバーの音楽フェスティバルに出演している他、名優ティム・ロビンスとも共演しているんですよ〜。
日本語吹替版でサンティ役の声を演じているのは土田大さんです。
●ベラ
ブライズの大切にしている、シャガール作の絵画。彼女は、モデルとなったシャガールの妻ベラについて語ります。
ベラは宝石商を営むユダヤ人一家の出身です。シャガールとパリで20年余りを過ごしますが、第二次世界大戦の勃発でアメリカへ。残念ながらパリに戻ることはなく、終戦間近の1944年、感染症で他界しました。
●印象的な音楽
「前回までのあらすじ」の直後から始まる、サンティ率いる楽団の音楽は、リムスキー=コルサコフの“Capriccio Espagnol”。
前半、ブライズとエヴァンが話したあとサンティの楽団が演奏する曲は、ムソルグスキーの交響曲「禿山の一夜(“A Night On the Bald Mountain”)」。
サンティが舞台から落ちたあと、演奏する曲はコルサコフの「熊蜂の飛行(“the Flight of the Bumble Be”)」です。