#4 ローソン兄弟のパニック Pregnant Paws
ディヴィヤとジェレマイアがシンフォニー傘下の病院視察から戻ってくる。このときジェレマイアは、妊娠したことを言い出せないディヴィヤを助けようと焦り、自分の口から事実を漏らしてしまう。この報告を聞いたローソン兄弟は大いに取り乱し、ディヴィヤに構い過ぎてしまう。だが二人は、ディヴィヤが普段通りの業務や生活を望んでいることを徐々に理解し、彼女の思いを尊重しようと決める。
そんな中、ハンク・メドには新たな依頼が舞い込む。患者は犬の預かり施設を運営しているマヤだった。彼女は3日前、犬を見ているときに腕にひっかき傷を作ったのだが、3日間放置したところ腕が腫れてしまった。このときマヤは抗生物質を投与されるが、症状は改善するどころか悪化の一途を辿る。38度だった熱は39度近くなっただけでなく、彼女は視力を失う。マヤは狂犬病にかかったと絶望するが、原因は意外なモノだった。
それは隣家の猫の体を洗ったときのひっかき傷による「猫ひっかき病」だった。狂犬病の検査は陰性と判明し、彼女は適切な処置を受けて回復する。
またジェレマイアはDJのジーを診察する。彼は大学時代からの友人キキと番組を放送している。キキはジーにいたずらを仕掛けるのが好きで、この日も彼が眠っている間にドラッグクイーンのメイクを施す。実はこのあとDJ界のスター、クレイグ・カートンがパーティーに参加することが決まっており、キキは盛り上げるための作戦を色々練っていた。
パーティーが始まると、ジーは服を脱いではしゃぎ始める。間もなく彼は呼吸がおかしくなり、その場に倒れ込む。原因はキキがジーの紅茶に混ぜた蜂蜜だった。この蜂蜜はシャクナゲから採ったいわゆる「マッド・ハニー」で、ジーはグラヤノトキシン中毒に陥ったのだった。キキは、冗談半分で与えた蜂蜜がジーを命の危険にさらしたと知り、素直に謝罪する。
その頃ハンプトンズ記念病院にヴァンダイクがやってくる。彼はERの閉鎖と共に街を出たのだが、シェルビーからコンシェルジュ医療部門の誘いを受けてやってきたのだった。ハンク・メドがシンフォニーとの提携話に結論を出せずにいたところ、シェルビーが経験者のヴァンダイクに連絡を取り、呼び寄せたのだ。これを知ったハンクは試しに記念病院の一室を借り、シンフォニーの下で活動すると決める。
一方、同じ時期にマリサがハンプトンズにやってくる。彼女はボリスの件でハンクに感謝を述べ「危険だから手を引け」と忠告する。しかしハンクは「ボリスは大切な友人だ。ミロシュの逮捕に協力する」と答える。
またペイジは有名なオークションハウスの鑑定士ラッセル・ベルジェのインターンに採用される。
●ペストリー
冒頭ハンクは偶然シェルビーと会い、ペストリーを勧めます。この時の原文は“What a surprise. Bear Claw?(奇遇だね。ベアクロウは?)”です。
ベアクロウはアーモンドの香りのする、甘いペストリーのこと。また“Bear Claw”という単語は「クマのかぎ爪」という意味です。その名の通り、このペストリーはクマの爪に似た半円型をしています。
●新しい登場人物:ラッセル・ベルジェ
「救命医ハンク」で、またもや個性的な人物が登場しました。彼は目利きの鑑定士ラッセル・ベルジェで、演じるのはスティーヴン・スピネラ。これまでの主な出演作は映画「ミルク」「ラバー」「リンカーン」、TVシリーズ「デスパレートな妻たち」「24 TWENTY FOUR」など。
彼は1856年生のイタリア生まれで、1993年と1994年に"Angels in America"でトニー賞の主演男優賞を受賞。2000年にも"James Joyce's The Dead."で同賞にノミネートされています。
●今回のゲスト
夫婦漫才のように息ピッタリの掛け合いをするキキとジー。キキ役を演じるのはアンジェラ・トリンバー。最新のTVシリーズ“The Birthday Boys”、“Silicon Valley”ほかに出演。
ジー役はダニー・プディ。最新映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」のほか、TVシリーズ「コミ・カレ!!」 “The Book Club”などに出演しています。
犬の預かり施設を運営するマヤを演じるのはクレア・コフィー。人気のTVシリーズ「GRIMM/グリム」でアダリンド役を演じているほか、“Franklin & Bash”にも出演しています。
●グーラッシュ
ブダペストから戻ったハンクに、エヴァンは「グーラッシュのレシピは?」と聞きます。
グーラッシュ(goulash)は牛肉と野菜のシチューで、ハンガリーの代表的な料理です。
●クレイグ・カートン
キキとジーの番組に、クレイグ・カートンがゲストで呼ばれます。彼は実在のDJ。朝のラジオ番組“the Boomer and Carton”を担当しています。
●オーストリアのビーダーマイヤー
後半、ペイジの鑑定結果を見たラッセルは「オーストリアのビーダーマイヤーはどうした」と告げます。
ビーダーマイヤーはオーストリアやドイツを中心とした、家具や文学などの洋式のこと。
「ビーダーマイヤー」で画像検索をすると、簡素で機能的でありながら、重厚感のある家具が多数ヒットしますよ〜。
●印象的な音楽
マヤが搬送された後、ビーチパーティーで演奏されるバンドの曲はColors In the Airの“Going Home”です。