林 遣都 インタビュー

林遣都は、若き日の父の旅をなぞり、ニューヨークを訪れた少年・ハル役を演じた。

「ハルは、父親という存在が自分の中にあまりないまま育って、大人になってから父親のことを知りたくて旅に出ます。父親がほとんどいない中で、すごく狭い世界で生きて来た男なので、日本を飛び出して、世界を見た時にどんな顔をするのか?と。僕も広い世界を見たことがなかったので、自分のリアルなリアクションと重ねていけたらいいな、と思ってました。

ニューヨークへ行くのは初めてだったんですけど、頭に残っているロケ先での景色はやっぱり、離れたところから見たマンハッタンですね。デイジー(長渕文音)さんが『This is NY』と言った景色です。なんか、日本を抜け出して『僕は世界を旅してるんだ!』って思いました。こういうお仕事に巡り合って、こういう人たちに巡り合って、こんなところに来たんだよっていうのを、両親に伝えたいって感じましたし、開放感みたいなものもありましたね」

林 遣都

長渕文音 インタビュー

長渕文音は、ハル(林遣都)と一緒にニューヨークをめぐるダンサーのデイジー役。

「デイジーは性格が強烈(笑)。台本を読んですぐに、やりたい!と思いましたね。とにかく芯が強くて、自分がこうだと思ったことは、たとえ間違っていても突き進んでいっちゃう。(自分に)ちょっと似てるなって思いました(笑)。ドラマの最後で、デイジーとハルはウッドストック音楽祭の会場跡地にたどり着きます。

ドラマをご覧いただければわかりますが、あそこはデイジーにとって特別な場所なんですね。それを思うと、最後のシーンを撮影するときに、テストから涙が止まらなくなっちゃいました。二人で歩いている瞬間から涙が出てきて、テストだから本当は泣いちゃいけないのに我慢できなくなっちゃって…。監督が『本番行こう、本番!』って言ってバーッと撮ったんですよ。それくらい、もう感情の抑えがきかなくって、言葉で言い表しにくいんですけど、あそこはすごいものがありましたね」

長渕文音

佐野史郎 インタビュー

佐野史郎は、突然息子をおいてブラジルに旅立ってしまう北村秋男を演じた。

「(秋男は)ひきょう者じゃないですかね。そして、すごく弱い。息子と面と向かって話をしないですからね。運命とか、友人に対する気後れした部分とか、そういうものを全部人のせいにしている。見ないようにしている。でも、あの(ドラマの)後はわからないですね。たぶん、帰ったら息子と話をすると思いますよ。でも、それで何かが解決するかと言えばそうでもなくて。やっぱり親と子は分かりあえないかもしれない。一生そうしていくんじゃないかな。それが生きるってことのような気がします」

「(ロケ先の)ブラジルでは、目的地であるサンジョゼ・ド・ノルテの突堤の先が印象的でした。波にさらわれそうになったのは怖かったですけど(笑)。でも、どこの風景も広くて、すごく安らいでましたね。ご飯も美味しいし、よく眠れるし(笑)。よっぽどこの土地に合ってるんだなって思うくらい、伸び伸びとしていました」

佐野史郎