総延長6万3000キロ、鉄道大国インドの北部を横断!

鉄道大国・北インド大紀行

5000年の歴史を誇り、近年はIT大国として注目を集めるインド。この発展を支えているのが、国内全土に張り巡らされた鉄道網です。今回は首都ニューデリーから北インドを一路東へ、ムガール帝国の古都、大河ガンジスが育んだヒンドゥー教・仏教の聖地を巡りコルカタへ。さらに北上し、世界遺産の「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」を走破します。

世界遺産の山岳列車、ダージリン・ヒマラヤ鉄道 コルカタ〜ニュージャルパグリ〜ダージリン

世界遺産の山岳列車、ダージリン・ヒマラヤ鉄道 コルカタ〜ニュージャルパグリ〜ダージリン

コルカタ Kolkata イギリス植民地時代の首都
コルカタ市街

コルカタの道路は車、バス、路面電車、人力車で常にごった返しています。路面電車は前が1等、後ろが2等の2両編成。何十年も使い込まれた車両ばかりでしたが、昨年から近代的な新車両も登場しました。ハウラー橋のたもとには、お供えに欠かせない花を大量に扱う市場が。鮮やかな色と香りと人間のエネルギーが充満して、インドらしいエネルギッシュな空間です。

路面電車
路面電車
花市場
花市場
ブックマーケット
ブックマーケット
ヴィクトリア記念堂

インド皇帝を兼任していたヴィクトリア女王を記念して、1921年に完成。白大理石一色の壮麗な姿は、アーグラーのタージ・マハルを模したといわれています。内部は博物館で、ヴィクトリア朝の美術品や絵画、女王の愛用品などを収蔵。コルカタの歴史を学べるコルカタ・ギャラリーや、インド各地の美術品も豊富です。

ヴィクトリア記念堂
ヴィクトリア記念堂
セントポール寺院
他、イギリス統治時代の建造物

1847年に建てられたゴシック様式のキリスト教会。高さ60mの尖塔は、カンタベリー大聖堂をモチーフにしています。この他、コルカタには植民地時代の建物が数多く現存。州政府庁舎はかつて東インド会社の合同宿舎で、州知事公邸は旧インド総督官邸でした。国内最古のミュージアムであるインド博物館も、1814年の建造物です。

セントポール寺院
セントポール寺院
イギリス統治時代の建造物
イギリス統治時代の建造物
ニュージャルパグリ New Jalpaiguri アジア最古の登山鉄道の起点駅
ダージリン・ヒマラヤ鉄道

1879年に、イギリスが避暑客と紅茶の輸送のために敷いた登山鉄道。トイ・トレインと呼ばれるかわいい列車が、88kmを約8時間かけて走っています。スピードが遅いのは、レール幅が狭く、ループ線が3箇所、スイッチバックが6箇所、標高差が2000mもあるため。今も牽引車として、100年余り前のイギリス製蒸気機関車が使われています。1999年、世界文化遺産登録。

ダージリン・ヒマラヤ鉄道
ダージリン・ヒマラヤ鉄道
カンチェンジュンガ急行
カンチェンジュンガ急行
ニュージャルパグリ郊外
ニュージャルパグリ郊外
ダージリン Darjiling 標高2000mに広がる紅茶の町
ダージリン

ダージリンは、ヒマラヤに連なる尾根に開かれた高地の町。コルカタの入植者たちが避暑地として開発し、良質の紅茶と世界最高峰の眺望を楽しみました。ヨーロッパ風の建物が残っている反面、カラフルなチベット寺院も多く、他のどんな町とも違う雰囲気。インドよりも、お隣のネパール文化が色濃く感じられます。

チベット寺院
チベット寺院
市庁舎
市庁舎
聖アンドリュース教会
聖アンドリュース教会
紅茶園

ダージリンは世界三大銘茶の産地。標高約2000mの山腹に広大な茶畑が広がり、インドの紅茶の15%がここで生産されているというのも納得です。しかも手摘みで収穫するそうで、ダージリン住民の約半数が紅茶関連の仕事をしているとか。4〜10月には、観光客も茶摘み体験や製造過程を見学できます。

紅茶園
紅茶園
カンチェンジュンガ山

標高8586m、インド国内最高、世界第3位の霊峰。その名は「偉大な雪の5つの宝庫」という意味のチベット語です。ダージリン郊外の丘、タイガー・ヒルからの眺めが素晴らしく、特に朝日に染まった神々しい姿は感動的。タイガー・ヒルは、条件がよければエベレストを望むこともできます。

カンチェンジュンガ山
カンチェンジュンガ山
コルカタ ニュージャルパグリ ダージリン