総延長6万3000キロ、鉄道大国インドの北部を横断!

鉄道大国・北インド大紀行

5000年の歴史を誇り、近年はIT大国として注目を集めるインド。この発展を支えているのが、国内全土に張り巡らされた鉄道網です。今回は首都ニューデリーから北インドを一路東へ、ムガール帝国の古都、大河ガンジスが育んだヒンドゥー教・仏教の聖地を巡りコルカタへ。さらに北上し、世界遺産の「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」を走破します。

聖なる大河ガンジスに抱かれて マホバ(カジュラーホ)〜アラハバード〜バナーラス

聖なる大河ガンジスに抱かれて マホバ(カジュラーホ)〜アラハバード〜バナーラス

マホバ(カジュラーホ) Mahoba / Khajuraho 数多の寺院が建つチャンデーラ朝の都
カジュラーホ寺院群

のどかなマホバ村の駅から南へ100km。カジュラーホには1000年前、チャンデーラ王朝が築かれました。その栄華を忍ばせるヒンドゥー寺院群は、おびただしい数の彫刻が有名です。たくさんの神々や天女、聖なる動物たちに交じって旅人を驚かせるのが、官能的な男女の像。ミトゥナと呼ばれ、性的儀礼によって神の意識を獲得できるという宗教的思想によるものです。

カジュラーホ寺院
カジュラーホ寺院
カジュラーホ寺院 外壁
カジュラーホ寺院 外壁
ミトゥナ
ミトゥナ
アラハバード Allahabad 3つの川が合流するヒンドゥー教の聖地
ヤムナー川・ガンジス川

アラハバードは、ヤムナー川、ガンジス川、そして地下に流れているという伝説の川・サラスヴァティが合流する4大聖地の1つ。サンガムと呼ばれる合流地では、1月にマグメーラという祭りが催され、全国から何百万人もの巡礼者が訪れます。人々は河原にテントを張り、何日も何日も沐浴を繰り返して心身を清めます。

ヤムナー川・ガンジス川
ヤムナー川・ガンジス川
ヤムナー川・ガンジス川 夕景
ヤムナー川・ガンジス川 夕景
バナーラス Banaras 悠久のガンジスが流れる巡礼地
ガンガー(ガンジス川)

ガンジス川はガンガーと呼ばれ、人々が神格化する存在です。そのほとりにあるバナーラスは、3000年の歴史を持つ聖都。川岸には6kmにわたってガート(沐浴場)が並びます。沐浴する人、水遊びする子ども、洗濯する人、水を汲む人…そのそばで当たり前のように行われる火葬。遺灰や火葬されない赤ん坊はそのままガンガーに流され、海へ還ります。輪廻転生や悠久の時を思わずにいられない光景です。

沐浴
沐浴
ガンガーのほとり
ガンガーのほとり
バナーラスの町
バナーラスの町
プージャー(礼拝)

日が暮れると、ガートではプージャー(礼拝)が行われます。ドラや太鼓が鳴り響く中、ステージのようなガートに礼拝僧が登場。川に花を流し、燭台の火を掲げて祈りを捧げます。人々も一緒に歌ったり手を合わせたり、幻想的かつとてもショーアップされた礼拝です。

プージャー(礼拝) 夜の御祈り
プージャー(礼拝) 夜の御祈り
ラッスィー

町を歩くと目に付くのがラッスィー屋台。日本でもおなじみのヨーグルトドリンクですが、インドでは甘いものと塩を加えたものがあります。ミキサーを使う店もありますが、多くは壺に材料を入れて棒で混ぜる、手作りの味。1杯10〜20ルピーほどで、素焼きの器に入れてくれます。

ラッスィー屋台
ラッスィー屋台
屋台ではスナック類も販売
屋台ではスナック類も販売
バナーラス・シルク

バナーラスの名産品は良質なシルク。たくさんの工房があり、美しいサリーやショールが織られています。お釈迦さまは出家する前の王子だった頃、バナーラス・シルクの衣しか身に付けなかったそう。金糸・銀糸を織り込んだ繊細な模様に、伝統が息づいています。

シルク工房
シルク工房
マホバ(カジュラーホ) アラハバード バナーラス