ある劇場。舞台上の西川敬子の演技を食い入るように見つめる十村十枝子。終演後十枝子は演出家の蜂須賀に直談判し劇団に入団、憧れの敬子の付き人になる。かいがいしく敬子の世話をする一方、色仕掛けで蜂須賀に近づき敬子から主演女優の座を奪う。敬子を追い出した十枝子は演出を勉強したいと言い出し蜂須賀を退団へと追い込む。十枝子の主演演出を兼ねた舞台公演が決定。そのポスターの打ち合わせにデザイナーの水野が現れて…。 突然芸能界を引退し水野のデザイン事務所に出入りするようになる十枝子。十枝子は水野の大学の後輩であるライターのかげりの家に押しかけ居候し、かげりが執筆中の戯曲『人間昆虫記』に興味を持つ。十枝子に惹かれた水野は世界的なデザインコンクールへの出展を辞めプロポーズする。受け入れたかのように振舞う十枝子だが、水野のデザインを盗みコンクールへ応募。さらにかげりの『人間昆虫記』を盗作し小説として発表してしまう。 次々と大成功を収める十枝子に興味を持った大物政治家甲雪村は、いつでも自分を頼るようにと連絡先を渡す。一方十枝子を怪しみスクープを狙おうと尾行する記者の青草は十枝子の実家で信じられない光景を目の当たりにする。弱みを握った青草は十枝子の部屋を訪れ問い詰めるがまんまと取り込まれる。十枝子は殺し屋の蟻川に青草の殺害を依頼。一方水野は取引先の社長金文から十枝子そっくりのしじみという元芸妓を紹介される。 殺し屋の蟻川は仲間と首相暗殺を企んでいた。大物政治家の甲はわざわざ十枝子と殺し屋の蟻川を家に招き、次は十枝子が殺し屋になると予言し楽しむ。自分に悪態をつく十枝子の態度が気に入らない蟻川は十枝子の家に押し入り暴行する。しかし蟻川を妖艶に取り込み暗殺計画のデータを見事盗んだ十枝子は、文芸誌に小説として暗殺計画を発表した。そんな中事実を知らないテロリストらは計画を実行し…。 首相暗殺計画を文芸誌に発表しテロリストに捕まった十枝子は釜石 (ジャパンバイオエネルギーの専務)の元に金で買い取られる。社長の椅子がどうしても欲しい釜石は強運の十枝子に興味を持ち本気で愛した方が全財産を譲るという条件付きで結婚をする。十枝子は秘かに副社長と結託し何か企んでいる釜石の秘書に近づき情報を得るが、釜石の子を妊娠した事に気づく。そんな時水野が自分そっくりのしじみと結婚した事を知り…。 十枝子はテロリストから甲が首相暗殺事件に関わっていた証拠を掴む。十枝子は証拠と引き換えに甲と対立する党の議員に情報を売り、銀行を動かしジャパンバイオの株を大量に買占めることを約束させる。そして釜石は不正に市場を操作しバイオ燃料の株を暴落させ社長を退陣させる。策略通り社長の椅子を手にした釜石だがいつのまにか十枝子を本気で愛している事に気づく。一方十枝子は釜石が関与した不正融資の情報を売りに甲の元へ。 自分の欲望のまま次々と欲しいものを手に入れる十枝子だが、水野だけは手に入れる事が出来ない。一方、一連の不正融資疑惑に関連し十枝子の捜査を開始した警察は、関わった人物が次々に不審死を遂げている事に疑念を抱き追跡する。刑事は十枝子の実家を訪れるが、狂った蜂須賀が拳銃を手に突然現れ彼らに発砲する。十枝子は実家に火を放ち、蜂須賀は炎に呑み込まれる。一方、水野はしじみの仇を取るため金文の元へと向かう。 |