燦々と照りつける太陽、恵まれた自然、活気にあふれたカリオカ(リオっ子)、年に1度のカーニバル…。この世界的観光地は、「陽気なリオ」のイメージを決して裏切りません。反面、旧市街のしっとりとした雰囲気は欧州文化との融合を感じさせます。
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路面電車 |
リオの街を探索するには、ボンジーニョと呼ばれるチンチン電車が最適。旧市街の丘の上からカリオカ広場までを結んでいます。黄色い電車がラパの水道橋を走るのも、かわいらしく絵になる光景。俗に「カリオカ水道橋」とも言われ、いにしえのリオを象徴する建造物です。1732年にカリオカ地区からリオ中心地まで水を送るために作られたもので、42のアーチが印象的。多くの物語の舞台になっているので、ご存知の方も多いでしょう。
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コルコバード列車 |
リオのシンボルとして有名なキリスト像を見に行くには、コルコバード列車で標高710mの山に登ります。列車はゆっくりとチジュッカの森を抜けて走り、プルメリアや椰子などの海岸山脈の植生が目を楽しませてくれます。
キリスト像は1931年にパリで作られ、輪切りにして運ばれ、この頂上で組み立てられました。全長30m、両手の幅28m。奈良の大仏の約2倍の高さというから驚きです。
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エスピリトサント州の州都。34の島と大陸地域で構成された地形は特徴的で、空から見ると曲がりくねった海岸線、地層が露出した谷、運河などが目に付きます。コロニアル様式の建物や歴史ある記念建造物、教会などの他、丘にできた町なので美しい階段や坂道、要塞、シダーデ・バイシャー(低い所の町)とシダーデ・アルタ(高い所の町)をつなぐ橋などがたくさんあります。
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ヴィトリア - ミナス鉄道(EFVM) |
ヴィトリア市と、ブラジル最大の鉱物資源を有するミナス・ジェライス州を結ぶ鉄道。メインは貨物輸送で、客車も毎日上下1本。バスより安いため、いつも乗客でごった返しています。1等車は2両、2等車は11両ありますが、違いは席の幅と車内販売が来る程度。食堂車でくつろぐこともできます。
車窓のドセ川は上流に進むほど勢いが増し、緑濃い山々がブラジルの雄大さを感じさせます。鉱石を運ぶ列車と何度もすれ違ううちに、列車は「鉄鋼の谷」へ。谷間の採掘場に差し掛かると、こちらに手を振る労働者たち。斜面には鉄鉱石が見え隠れし、工事現場には丸型の貨物車両が停車していて、ここが貨物輸送路線であることを改めて思い出させます。 |
ヴィトリア-ミナス鉄道の終着駅で、日本とブラジルが共同で作ったウジミナス製鉄所の本社があります。列車を運航しているリオ・ドセ社もこの大事業に関わる会社の一つ。
ベロ・オリゾンテはブラジル第3の都市であり、国内初の計画都市。有名な建築家や芸術家が設計し、1898年に建設されました。平均気温21度の穏やかな気候と緑の多い環境から、ラテンアメリカで最も住みやすい街として国連から認定されています。美しい建物や公園が多く、数多くの日系人が暮らす街でもあります。 |
オーロプレット |
ベロ・オリゾンテから車で2時間、バロック様式の建物と石畳の坂道、美しい教会で有名な古都。1980年にユネスコ世界文化遺産に指定されています。ポルトガル語で「黒い金」を意味し、1711年に金が発見されてから約100年間に、世界の金の半分以上を産出。ゴールドラッシュの中心地として栄えました。今の人口は5万6000人ですが、往時にはアフリカの黒人奴隷を中心に11万人が暮らしていました。
18世紀末に金ブームが去るとポルトガルへの税金が払えなくなり、詩人で歯科医師のチランデス(ポルトガル語で歯を抜くという意味)とその仲間が革命を企てます。それは失敗に終わりましたが、チラデンチスは現在でもブラジルの独立、そして自由の象徴とされています。 |