映画

真田風雲録

天下分け目の関ヶ原の戦いの後、敗色濃い豊臣方について徳川軍と戦った真田十勇士たちの運命をミュージカル仕立てで型破りに描いた、日本映画史上屈指の異色カルト時代劇。

1960年の安保闘争の挫折を、当時新進気鋭の劇作家・福田善之が戦国時代の末期になぞらえて戯画化して描き、評判を博した同名の風刺舞台劇を、加藤泰監督が通常の重厚な演出とは打って変わった奇抜なスタイルで映画化。大阪城に籠城中の千姫らが退屈しのぎに乱痴気騒ぎのダンスパーティーを始めると、淀君がママさんコーラスでそれに対抗するといった具合に、時代劇でありながら、全編、歌あり踊りありで、遊び心満載。公開当時は興行的に惨敗を喫したものの、いまや映画ファン必見のカルト人気作となった。