松尾スズキの初翻訳で話題となった絵本をノゾエ征爾が舞台化。“見えない敵”と闘うテーマはまさに今の社会を映し、宮沢氷魚と大鶴佐助の体当たり演技に心揺さぶられる。
戦場に掘られた“2つの穴”。それぞれ穴に取り残された2人の兵士は、何日間も銃声のみでお互いの存在を確認し合い、見えない敵への恐怖と疑心暗鬼にさいなまれていた。戦争が始まった日、兵士たちには銃と1冊の冊子を渡されていた。「殺さないと殺される」。“戦争マニュアル”に書かれていたことが自分の信じるもののすべて。お互いがこの大きな力に操られ、見えない敵がどんどん大きなモンスターとなり、妄想が膨らんでいく。死の恐怖におびえ、孤独と戦った兵士たちはある選択をする…。誰も報われることのない戦争の中、彼らが見いだしたものとは…。
収録日・収録場所
- 2020年9月21日/東京 東京芸術劇場 プレイハウス
出演
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宮沢氷魚
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大鶴佐助
スタッフ
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原作デビッド・カリ
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イラストセルジュ・ブロック
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訳松尾スズキ(千倉書房より)
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翻案・脚本・演出ノゾエ征爾