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野村万作・萬斎 狂言劇場
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11月17日(土)午後2:10〜
多くの人に狂言を楽しんでもらおうと世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎が企画。独自の能舞台を設置し、古典芸能と現代的な演出手法を融合させた新たな舞台芸術。
古典芸能という枠にとどまらず、「舞台芸術(パフォーミングアーツ)としての狂言」というコンセプトに基づいて東京・世田谷パブリックシアターで公演されている「狂言劇場」。野村萬斎が芸術監督となり、劇場空間に特設能舞台を設置し、古典芸能の技法や発想をもとに、現代舞台芸術の視点を取り入れた斬新な演出で披露している。2004年にスタートし、2018年の特別版を含めてこれまで9回開催しており、オリジナリティーあふれる演出は、毎回話題を呼んでいる。野村家の狂言を代表する演目「三番叟」や、いとうせいこうが描き下ろし、野村萬斎が演出した「鏡冠者」など、新作狂言も披露されている。
【ラインナップ】
■野村万作・萬斎 狂言劇場 特別版― 能『鷹姫』・狂言『楢山節考』 11月17日(土)午後5:55
野村万作・野村萬斎共演。泉を守る魔性の鷹姫、“楢山まいり”に行こうとする言葉を発しない主人公の老婆。「命」をテーマにオリジナリティーあふれる演出の新作能狂言。
[内容]
2018年6月、7月に公演された「狂言劇場」の特別編をお送りする。新作能の「鷹姫(たかひめ)」はアイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツの詩劇をもとにした作品。飲むと永遠の命を得ることができるという“不老長寿の泉”をめぐり、泉の守り役の鷹姫(片山九郎右衛門)、長年水を待ち続ける老人(大槻文蔵)、水を求める若き王子・空賦麟(野村萬斎)、それぞれの苦悩と嘆きが描かれる。
続く狂言「楢山節考(ならやまぶしこう)」では、笑いの要素が一切ないシリアスな作品を公演。舞台は70歳を迎えると山奥の“楢山さん”へ行き、二度と戻らない“楢山まいり”の風習がある村。69歳のおりん(野村万作)は一日も早く“楢山まいり”に行こうとするのだが、孝行息子の辰平(深田博治)はためらってしまう。辰平の母に対する情愛とともに“命を断ち切る”という厳しく残酷な風習が描かれ、見る者に深いメッセージを与える作品となっている。
収録日/2018年6月30日
収録場所/東京 世田谷パブリックシアター
出演:
「楢山節考」(ならやまぶしこう)
おりん:野村万作 辰平:深田博治 けさ吉:高野和憲 又やん:月崎晴夫 又やんの倅/雨屋:中村修一 村人:石田幸雄・岡聡史・内藤連・飯田豪 烏:野村萬斎 子供:今市真菜歩・竹内彰良・青柳茉子・吉浦陽・小野梓・田中李奈
笛:栗林祐輔 太鼓:桜井均
後見:竹山悠樹
「鷹姫」(たかひめ)
老人:大槻文蔵 鷹姫:片山九郎右衛門 空賦麟:野村萬斎
後見:寺澤幸祐・武居康之
地謡:観世喜正・鈴木啓吾・坂真太郎・大槻裕一・深田博治・高野和憲・中村修一・内藤連・飯田豪・野村太一郎
笛:竹市学 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:原岡一之 太鼓:大川典良
■野村万作・萬斎 狂言劇場 その壱「三番叟」「鎌腹」「川上」 11月17日(土)午後2:10
野村万作をはじめ、野村万之介、野村萬斎、石田幸雄らによって行なわれた狂言公演。狂言の持つ現代性、演劇性を打ち出す3作品を披露した舞台。
[内容]
2004年に「狂言劇場」第1弾として、野村万作一門によって行なわれた公演。野村家狂言を代表する舞囃子「三番叟(さんばそう)」では、能の「翁」という儀礼曲の中で演じる日本芸能の神髄と言うべき舞を野村萬斎が披露する。続いての「鎌腹(かまばら)」は、無目的な行為の繰り返しで、人間の愚かしさと不条理さを感じさせる演目。怠けて仕事をしない夫・太郎(野村萬斎)は、妻(高野和憲)から責められ追い回されていた。妻に侮辱された当て付けに、太郎は自分の腹を切って死のうとするが、臆して何度も切り損なってしまう。「川上(かわかみ)」では、吉野の里に住む盲目の夫(野村万作)が川上という地の地蔵に参籠し、目が開くようにと願っていた。すると念願叶って目が開き夫は大喜びするが、地蔵のお告げには「連れ添う妻とは離別せよ」という条件があった。日本の戯曲ベスト3に挙げられたことがある名作を、万作が叙情に満ちた演技で披露する。
収録日/2004年
収録場所/東京 世田谷パブリックシアター
出演/
「三番叟」(さんばそう)
三番叟:野村萬斎 千歳:深田博治
笛:一噌隆之(※噌は「口に曽」) 小鼓頭取:大倉源次郎 脇鼓:古賀裕己・吉阪一郎 大鼓:亀井広忠
後見:野村良乍・竹山悠樹
地謡:野村万之介・月崎晴夫・破石晋照・時田光洋
「鎌腹」(かまばら)
太郎:野村萬斎 妻:高野和憲 仲裁人:野村万之介
後見:月崎晴夫
「川上」(かわかみ)
盲目の夫:野村万作 妻:石田幸雄
後見:月崎晴夫
■野村万作・萬斎 狂言劇場 その弐「鏡冠者」「節分」「髭櫓カケリ入」 11月17日(土)午後4:10
いとうせいこうが書き下ろし、野村萬斎が演出した古典本来の面白さに現代的な怖さを表現した新作狂言ほか2作品。鬼と女との駆け引き、妻と夫の争いが描かれた喜悲劇を放送。
[内容]
2005年に公演した「狂言劇場」シリーズの第2弾をお送りする。「鏡冠者(かがみかじゃ)」はいとうせいこう作の新作狂言。蔵の中にあった鏡を見つけ、酔っぱらいながらふざけていた太郎冠者(野村萬斎)。すると、鏡に映った自分・鏡冠者(深田博治)が抜け出してきてしまう。新作狂言ならではのブラックユーモアの効いた結末が見ものの傑作だ。「節分(せつぶん)」は、鬼と人間とのコミカルなやりとりが繰り広げられる物語。女(高野和憲)が留守番をしている家に鬼(野村萬斎)が訪れる。女は恐怖に震えるが、鬼が自分を口説き始めたのを見てある行動に出る。「髭櫓カケリ入(ひげやぐらかけりいり)」では、自慢の大髭が認められ宮中の大嘗会に参加することになり、衣装を新調したいという夫(野村万作)と、そんな余裕はないと怒り出す妻(石田幸雄)の、髭をめぐった争いを描く。当時まだ5歳だった野村萬斎の長男、野村裕基の好演にも注目したい。
収録日/2005年
収録場所/東京 世田谷パブリックシアター
出演/
「鏡冠者」(かがみかじゃ)
太郎冠者:野村萬斎 主:高野和憲 鏡冠者:深田博治
後見:月崎晴夫
「節分」(せつぶん)
鬼:野村萬斎 女:高野和憲
後見:竹山悠樹
「髭櫓カケリ入」(ひげやぐらかけりいり)
夫:野村万作 妻:石田幸雄 注進:野村裕基
立衆:深田博治・高野和憲・月崎晴夫・竹山悠樹
地謡:野村万之介・野村萬斎・小宮正三・時田光洋
後見:野村良乍・破石澄元
関連情報
<特集>
特集:野村萬斎の世界
11月11日(日)午後0:00〜[WOWOWプライム]
『陰陽師〜おんみょうじ〜』
『陰陽師II』
『のぼうの城』
ノンフィクションW 野村家三代 パリに舞う 〜万作・萬斎・裕基、未来へ[字]
11月17日(土)午後2:10〜[WOWOWライブ]
野村万作・萬斎 狂言劇場 その壱「三番叟」「鎌腹」「川上」
野村万作・萬斎 狂言劇場 その弐「鏡冠者」「節分」「髭櫓カケリ入」
野村万作・萬斎 狂言劇場 特別版― 能『鷹姫』・狂言『楢山節考』
「シャンハイムーン」野村萬斎×広末涼子 作:井上ひさし 演出:栗山民也 ほか