日本の後世に残る、パワフルでスリリングな舞台作品を世に送り出す「大パルコ人」は、大人計画とパルコが共同プロデュースする、宮藤官九郎作・演出のオリジナルロックオペラのシリーズだ。2044年の渋谷、2022年の渋谷、2033年の池袋を舞台に暴れまくった「大パルコ人」シリーズの第4弾の舞台は、11年前の戦争（「R2C2」）で一度崩壊した2055年の渋谷。
　「あまちゃん」以来の宮藤とのタッグとなる、のんや、「カムカムエヴリバディ」などで大活躍中の村上虹郎をはじめ、三宅弘城、少路勇介、よーかいくんという本シリーズに欠かせないレギュラーメンバーが出演。また、荒川良々、伊勢志摩が本シリーズに初参加。さらにYOUNG DAIS、藤井隆といった実力派の頼もしい2人が舞台を盛り上げる。もちろん宮藤自身も出演！「世界を救う」という壮大なテーマを背負い、能力と羞恥心のはざまで葛藤する若者たち。今回も桁違いのバカバカしさと感動が炸裂する本作を堪能していただきたい。

＜ストーリー＞
　11年前に起こった戦争により破壊された街となった2055年の東京・渋谷。廃墟と化したミヤシタパークに、行方不明の祖父を捜し歩くNON（のん）が現われる。彼女はテレパシーという超能力を持っていたが、その能力を使うには弊害があった。テレパシーで語りかける声が、なぜか別人のような、おっさん声なのだ。彼女がたどり着いた先にはパークを根城にする、浮浪児のにじろー（村上虹郎）がいた。彼は予知能力という超能力を持っていたがその能力を使うにはどうしても屁が出てしまい、止められないという弊害があった。
　特殊な能力とそれに伴う弊害。同じ悩みを持つ2人の距離は次第に縮まっていく。しかし、NONに恋心を抱いたにじろーの能力に異変が起こる。そんな彼のもとに音楽プロデューサーの大江三千里（藤井隆）が近づくが、そこには大きなたくらみが隠されていた。