日本映画界のトップランナー、大林宣彦とその妻でプロデューサーの大林恭子。映画の街・成城で出会った2人の映画作りの歴史を、新作の制作の様子を交えて描き出す。
1977年の商業映画監督デビュー以来、尾道3部作をはじめとする40本以上もの作品を作り上げ、いまなお日本映画界のトップランナーであり続ける映画監督の大林宣彦。そんな大林には60年以上の間、公私にわたり彼を支え続けてきた妻でありプロデューサーでもある大林恭子という存在があった。過去の映像、仲間たちの証言などから大林が自主映画の制作を始めた青春時代や、妻・恭子と過ごした日々を振り返り、ともに生きてきた2人の唯一無二の絆に迫る。2人が出会ったのは、多くの監督、脚本家、俳優たちが住む映画の街・成城。この地で恭子が主演を務めた大林の自主映画『絵の中の少女』が撮影された。その後、商業映画デビューした大林が、自身の生まれ故郷の尾道を舞台にした映画『転校生』で初めてプロデューサー大林恭子の名前が登場する。『転校生』は大ヒットし、恭子は大林映画にとって欠かせない存在となる。そして2016年、2人に待ち受けていたのは、大林のがんによる余命宣告だった。しかし強い精神で病を乗り越えた彼は、尾道を舞台にした最新作『海辺の映画館−キネマの玉手箱』の撮影へと挑む。これまで二人三脚で映画製作に向き合い、仲間たちとともに映画を撮ることによって、2人は至上の喜びを感じてきた。そんな夫婦が歩んだ60年間の歳月と最新作の制作現場を通して、映画作りに懸ける想いを紐解く。
出演
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ナレーション長塚圭史
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声尾上寛之
スタッフ
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企画・構成・インタビュー犬童一心
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演出・撮影高橋栄樹