ドキュメンタリー
ノンフィクションW 市川崑 アニメからの出発 〜幻のフィルム、巨匠の原点〜

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ノンフィクションW 市川崑 アニメからの出発

巨匠・市川崑が関わった最古の作品がアメリカで発見された。その1935年製作のアニメを手掛かりに、独特の映像演出を生み出した彼の意外な原点と情熱を描く。

映画監督・市川崑。1965年の『東京オリンピック』や1976年の『犬神家の一族』などヒット作を数多く手掛け、2008年に92歳で逝去するまで、日本映画界を牽引し続けた巨匠だ。2014年、市川が1935年に作画担当を務めた映画『弱虫珍選組』がアメリカで発見された。このニュースが世間の注目を集めたのは、それが市川の関わった最も古い作品であることに加えて、アニメーション映画だったからだ。市川は意外にも、映画制作の第一歩をアニメーターとして踏み出していたのである。
番組では、生前に放送された本人のインタビューや、市川が立ち上げたプロダクション、崑プロに残されていた手記、さらには市川とともに映画制作に携わったスタッフらの証言を収集。市川の映画人としての原点に迫ることで、アニメが彼のその後の劇映画制作に与えた影響を分析し、いかに“光”と“影”を巧みに操り、“映像の魔術師”と称されるまでになったのか探っていく。

ノンフィクションW 市川崑 アニメからの出発

巨匠・市川崑が関わった最古の作品がアメリカで発見された。その1935年製作のアニメを手掛かりに、独特の映像演出を生み出した彼の意外な原点と情熱を描く。

2014年4月、アメリカで1本の日本映画が発見された。約5分間のトーキー漫画映画『弱虫珍選組』である。この作品には作画担当として後の映画監督・市川崑が携わっていた。市川は、ウォルト・ディズニー作品を鑑賞したときの感激を手記に綴っており、アニメーションへの思い入れは強かった。アニメーターとして映画制作の第一歩を踏み出した市川は1936年にアニメ『新説カチカチ山』を音楽以外ひとりで制作。その経験が後の劇映画制作にも生かされたと証言している。例えば演出技法では、リアルな映像の中におけるデフォルメの必要性に言及。また人物を写すとき、極端に大小をつける構図についてもアニメの影響だと指摘されることがあると語っている。また、市川はアニメ同様人形劇映画も大切にしていた。番組では、最近発見された、1946年に制作を試みた未完成の作品『猫にはなってみたけれど』の絵コンテと台本を初公開する。巨匠の原点に迫る。(2015年)

出演

  • ナレーション
    石原良
  • 阪脩
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