ドキュメンタリー
ノンフィクションW 失われたオスカー像 〜日本人初 アカデミー賞女優ナンシー梅木の生き方〜

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ノンフィクションW 失われたオスカー像

日本人初のオスカー女優・ナンシー梅木。ハリウッドの頂点を極めた彼女が選んだ人生とは。失われたオスカー像を通してナンシー梅木の真実に迫る。

日本人として初、そして唯一のオスカー俳優・ナンシー梅木。1950年代に日本でジャズシンガーとして人気を博した後、渡米。拠点をアメリカに移してからたった3年で第30回アカデミー賞授賞式にて助演女優賞を受賞する快挙を成し遂げた。その後、ブロードウェイミュージカルや映画などで活躍し、ハリウッドスターとしてすべてを手に入れた梅木だったが、1972年、突如としてショービズ界から姿を消した。そして、2007年に彼女の訃報が届くまでの35年間、消息は謎に包まれていた。遺品に、オスカー像はなかったという。
成功の証しともいえるオスカー像を失ってまで彼女が選んだ“女優以外の人生”とは?1年に及ぶ交渉の末、これまでマスコミの取材をかたくなに拒み続けてきた梅木の息子が初めて“引退の真実”を明かすとともに、ペギー葉山をはじめとする元共演者ら梅木を知る人々へのインタビューから、彼女の生き方を追う。

日本人初のオスカー女優・ナンシー梅木。ハリウッドの頂点を極めた彼女が選んだ人生とは。失われたオスカー像を通してナンシー梅木の真実に迫る。

2007年、アメリカ・ミズーリ州でひとりの元ハリウッド俳優が78歳で世を去った。彼女の名はナンシー梅木。日本人唯一のオスカー俳優である。梅木は、太平洋戦争終戦後の日本でジャズシンガーとして成功。共演したペギー葉山は「憧れの人」と回想する。1955年の渡米後、オーディション番組で人気を集めレコードデビュー。58年には、出演した映画『サヨナラ』で第30回アカデミー賞助演女優賞に輝く。
全米で知らぬ者はいないスターへと上りつめた梅木だが、出演していたテレビドラマが終了した1972年、彼女は芸能界からの引退を決意する。その姿勢は徹底しており、ペギー葉山ら日米の仕事関連の知人、友人の前から消息を絶ったほか、オスカー像も含め芸能界での思い出の品々をすべて処分したという。「様々な噂を払拭し真実の母を伝えたい」と彼女の息子は証言する。引退の理由には女優として、妻、母としての苦悩と決意が隠されていた…。(2015年)

出演

  • 語り
    黒木華
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