国民的アイドルグループで6年半中心メンバーとして活躍してきた前田敦子が、最も危険な芸術と評される蜷川幸雄のもと女優として初舞台を踏むまでに密着。
蜷川作品といえば、数々の名優が挑んできた檜舞台。きらびやかな世界で活躍してきた前田敦子にとって、かつてアングラ演劇などで数々の衝撃作を生み出してきた蜷川幸雄の舞台は美しくも攻撃的で、まさに対照的な世界。演技力のみならず、時には人間性をもあらわにするという蜷川の舞台は、“最も危険な芸術”と評されてきた。番組では、前田が初舞台で舞台女優として進化していく様子に密着。蜷川の稽古場では、今まで誰も見たことのない前田がいた。それは、元AKB48のセンターとして名声に甘んじることなく、蜷川の下で女優として腕を磨こうとする彼女の姿だった。前田は、バイオテロにより社会基盤が破壊された近未来で進化を遂げた新人類(ノクス)と旧人類(キュリオ)が対立する社会の中で、人間として生きることに誇りを持つヒロインという難しい役どころを演じる。何百人という観客の目にさらされながら芝居を行なう“舞台”は彼女にとって未知の領域で、一人前の女優となって実力を発揮しなければらない。これまでアイドルとして培ってきたものとは異なった女優としての鋭い感覚、そして感性を問われ続けた前田。
稽古から舞台初日そして千秋楽まで、一生に一度の初舞台を独占取材。前田が蜷川の舞台で自分をどう貫き、演技力をどう引き出したのか、蜷川幸雄や共演者たちのコメントを交え、彼女の挑戦と進化の日々を追う。