アメリカで日本画や東洋絵画を修復する独立民間工房の修復師・西尾喜行が海外に流出している日本の美術品を大切に守り続けるために取り組む活動に密着する。
アメリカで美術品の保存修復を行なう民間工房をワシントンDCに持つ西尾喜行。日本・東洋美術を専門とし、湿度や温度に左右されやすい和紙などに書かれた絵画、書籍、文書などを対象に、作品が存在する気候に合わせて微妙な調節をしながら修復を行なっている。これまでに図書館や美術館からの依頼で雪舟や狩野派屏風など著名な作品を多く扱い、2013年10月には歌川国鶴作の日本絵画6点の修復を終えたばかりだ。西尾は個人所蔵品も取り扱う。ワシントンDC在住のアメリカ人女性は、1958年から4年間日本に住んでいた際に入手し、現在は両親の形見として大切に保管してきた屏風「孔雀」の修復を依頼する。番組は、西尾の活動に密着し、それぞれの美術品が修復を終え持ち主に戻るまでを追う。美術品の変遷の歴史をひもとくことで、知られざる事実も明らかに。また、西尾の修復で美術品が数百年前の色鮮やかな姿を取り戻すさまは圧巻。