東日本大震災で津波による被害を受けた福島県相馬市。この町で始まった、音楽の力で子どもたちの日常と失ってしまった“こころ”を取り戻すプロジェクトを追う。
東日本大震災で甚大な被害を被った相馬市。住民の多くが家族や友達といった大切な人を失った。また相馬市には、福島第一原発の避難区域に指定された南相馬市から移住した人も多く、故郷を離れて暮らしている。2014年、震災から3年。鉄道、道路のインフラ整備が徐々に進む中、必要とされているのが「こころの復興」だ。現在相馬市では、地元の音楽教師と復興支援団体エル・システマジャパンによる「音楽の力で日常を取り戻す」プロジェクトが行なわれている。
“エル・システマ”は1975年に南米ベネズエラで始まった、無償で子どもたちに音楽教育を実施するプロジェクト。既にプロの音楽家も巣立ち、音楽の力で子どもの未来を作る取り組みとして認められている。
相馬市の音楽教室に通う子どもたちと家族を取材し、2013年末のコンサート、そして現代音楽家・藤倉大氏と取り組む作曲教室の様子等を映像に収めた。3年目の福島に暮らす子どもたちの今とは。