映画黄金期、A・ヘプバーン、G・ケリーらの衣装を手掛けた伝説の衣装デザイナー、イデス・ヘッド。「女優を一番美しく見せる方法」を追求したファッション哲学に迫る。
生涯で1000本以上の作品に関わり、アカデミー賞衣装デザイン賞に8度輝いた伝説の衣装デザイナー、イデス・ヘッド(1897〜1981)。名匠アルフレッド・ヒッチコック監督から「できる限り現場にいるように」と言われるなど、多くの映画人から絶大な信頼を集め、監督と女優との間をつなぐ存在でもあった。2013年12月にはアメリカで彼女を題材にした舞台が上演されるなど、再び注目を集めている。番組では彼女とオードリー・ヘプバーンとの関係に注目。特に『麗しのサブリナ』(’54)ではオードリーが指名したデザイナー・ジバンシィとの確執についてなど、当時の関係者が「今だから話せる事実」を証言。「私はファッションデザイナーではない」という発言にも代表される「衣装デザイナー」としての“誇り”。服が主張するのではなくストーリーを支え、女優をきれいに見せる「技」にこだわったイデスのファッション哲学を浮き彫りにする。(2014年)