世界一危険とも言われるミャンマーの伝統格闘技ラウェイ。移り行く社会情勢の中で存続の危機にある。現役復帰を果たす元王者の姿を通じ、時流と戦う格闘技を追う。
ミャンマーの国技ラウェイは、日本では“世界一危険な格闘技”と紹介され、ムエタイなど立ち技格闘技の源流とも言われている。だが、2011年のミャンマー新政府の発足による新しい時代の到来がラウェイに影を落とす。若者の関心が急速に薄れる一方、国際化を意識した新政府はグローブを着用する新ルールの競技“ムエ”を発足。ラウェイから次々と選手が引き抜かれるなど、大きな逆風が吹いている。そんな中、2013年の9月にラウェイの国際大会が久々に開催されることに。大会には41歳を迎えた伝説の王者が6年ぶりに復活する。24歳から6年間王者に君臨し、ミャンマー国民の誰もが知る英雄ソーテーアウンだ。41歳を迎えた元王者がブランクを乗り越え、ラウェイ復活を目指す姿を追う。また、無料の体験教室や新協会の設立など、ラウェイの伝統の灯を残すべく奮闘する、関係者たちの地道な活動にも密着する。