今や、アメリカ・ハリウッドやインド・ムンバイをしのぎ、世界最多の映画を製作しているナイジェリア。新進気鋭の映画監督に密着し、この国で映画が果たす役割を探る。
西欧の投資により、都市開発が計画されているナイジェリア・ラゴス。シネコンもあるが、そこで上映されるのは年間2000本に上るというナイジェリア映画ではなく、ハリウッド映画ばかりだ。入場料は50ドルと高価で、これは庶民の1カ月の生活費の半分に及ぶという。庶民は自国の言語が使われ、悪人が必ず懲らしめられるナイジェリアの“ノリウッド映画”を、1枚2ドル程度で流通するDVDで楽しんでいる。2013年のアフリカ版アカデミー賞で、ナイジェリア映画賞にノミネートされた作品を手掛けた弱冠29歳の新鋭、チャールズ・ワグバイ監督。1本の予算は約150万円、製作日数は平均2週間というのがナイジェリア映画のスタンダードの中、監督が制作する新作ミステリーの撮影現場に密着する。