デジタル化が進む映画界の懸案は作品の保存問題。それを解決したのは日本のフィルム技術者だった。フィルムアーカイブの視点から見えてくる「映画の未来」に迫る。
2012年2月の第84回アカデミー賞において、日本の富士フイルム(株)の「ETERNA−RDS」という映画用フィルムを開発した技術者3名がアカデミー科学技術賞に輝いた。デジタル化で高精細になった映像を再現できる性能と長期保存にも耐えられる耐久性を持ったアーカイブ専用フィルムでの受賞だ。それは財産であり文化でもある作品を後世に残すためのフィルムとして、20世紀フォックスやソニー・ピクチャーズなどのアメリカ・ハリウッドのメジャースタジオで採用されている。番組では、設計・開発を担当した技術者たちの証言を元に、受賞までの道のりや今後の展望などを語る。併せて、撮影から編集、上映までデジタル化が著しく進む映画産業の都、ハリウッドでのフィルム保存の実情に迫っていく。
ドキュメンタリー
ノンフィクションW アカデミーを救った“消えない”映画フィルム
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デジタル化が進む映画界の懸案は作品の保存問題。それを解決したのは日本のフィルム技術者だった。フィルムアーカイブの視点から見えてくる「映画の未来」に迫る。
近年、映画界では撮影から上映までデジタル化が急速に進んできたが、一方でアクセスの利便性や長期保存が難しいといった問題が生じている。アメリカ・映画芸術科学アカデミーはこの問題を“デジタル・ジレンマ”と称し、警鐘を鳴らしてきた。
デジタル・ジレンマを解消すべく、富士フイルム(株)はアーカイブ専用フィルム「ETERNA-RDS」を開発。高繊細な映像を長期保存できる品質が評価され、ハリウッドのメジャースタジオが新作や過去作品の保存用に採用した。改めて銀塩フィルムの可能性を見せ付けたこのフィルムは、2012年のアカデミー科学技術賞を受賞。番組では、フィルムを開発した技術者たちによる制作秘話を明かすとともに、ハリウッドのフィルム保存の実情に迫っていく。