当時EURO92への出場を決め、欧州最強と目されたサッカー・ユーゴスラビア代表に何が起こったのか?民族紛争によって翻弄された「幻の欧州王者」の真実を解き明かす。
サッカー欧州選手権EURO92本大会の出場権を剥奪された「ユーゴスラビア代表」を、元選手たちの証言と、当時の映像で振り返る。異なる民族の6つの国が集まったユーゴスラビア連邦。サッカー代表チームは、民族融和の象徴でもあった。優れた育成システムと多彩なタレントを擁する強豪で、名将イビチャ・オシムが率い、W杯イタリア大会ではベスト8に輝く。ところが、東欧革命を受けた民族自立の機運の中、ユーゴ国内リーグでセルビアのチームとクロアチアのチームのサポーター同士が衝突する「マクシミールの暴動」が発生。代表の国際試合でも観客の民族対立が激化していく。国家分裂、代表崩壊と同時に進むことになったEURO92予選。しかし選手たちはオシム監督のもと団結し、勝ち進んでいった。そんな中、ついに最悪の事態が発生してしまう…。