競馬界の発展に寄与した名馬サンデーサイレンス。比類なき名馬ゆえに子孫があふれ、競馬界衰退の危機が叫ばれている。新たな血統を捜し求める人々の物語。
名馬サンデーサイレンスの“奇跡の血統”が、日本競馬界にもたらした功罪を追う。アメリカで年度代表馬にも輝いたサンデーサイレンスが、1991年、日本で種馬として繁殖を始めた。購入したのは、生産牧場「社台グループ」。創業者・吉田善哉と息子で現代表の吉田照哉は、「日本の馬を世界レベルにしたい」という熱い情熱で導入に踏み切った。ほどなく、“最高傑作”ディープインパクトをはじめとしたサンデーの血を引く馬は目覚ましい活躍を見せ、爆発的に競馬界へ広がっていく。しかし、その血の広がりは、サンデーの血を持つ馬どうしの交配が出来ないなど、新たな問題を浮かび上がらせ始めていた。一方で、馬産の中心、北海道・日高地方は厳しい現実に晒されている。馬が売れない、走らない… だが、そんな中でも光を信じ、歩み続ける人々がいた。