夭逝の直木賞作家・藤原伊織が、広告代理店の内幕と人間の誇りを描いたヒューマンサスペンス。
「テロリストのパラソル」「てのひらの闇」など、熱く魅力的な人物描写に定評があった直木賞作家・藤原伊織。2007年に惜しまれながら逝去した彼が、広告業界で働いていた経験を基に書いた同名小説を、巨匠・石橋冠の演出で映像化しました。内野聖陽、真矢みき、寺島進ら演技派俳優陣が、人間の哀しい運命と未来への希望を紡ぎ出しています。企業ドラマとしても興味深い、圧倒的スケールと生きる力にあふれた大型サスペンスです。
ストーリー
熾烈な広告業界に生きる男の過去と、それを封印した理由とは。
東邦広告の営業部副部長・辰村祐介(内野聖陽)には、明子(大塚寧々)、勝哉(寺島進)という幼馴染がおり、25年前にある忌まわしい秘密を共有していた。既に連絡を取り合うこともなかったのだが、今頃その秘密をネタにした脅迫状が明子に届いたという。一方、辰村の部署に18億の広告プロジェクトが舞い込む。彼は上司・立花(真矢みき)らとコンペの勝利に向け邁進するが、そのプロジェクトが例の秘密とつながっていることを知る。