日本方式の台湾新幹線で、台湾島をぐるりと周遊。

台湾一周1000キロ

その美しさから「麗しの島」と呼ばれる台湾。今回は台北を起点にぐるり一周します。2007年に開業した台湾新幹線で南部の高雄へ、高雄からは在来線で東海岸を北上。大都市、港町、熱帯の自然など台湾の魅力を丸ごと体感します。さらに、台湾経済を牽引したサトウキビ列車や特急太魯閣号、平渓線などの列車旅も満喫します。

麗しの島を北上して 高雄(カオシュン)〜台東(タントン)〜花蓮(ホワリエン)〜宜蘭(ギラン)〜台北(タイペイ)

麗しの島を北上して 高雄(カオシュン)〜台東(タントン)〜花蓮(ホワリエン)〜宜蘭(ギラン)〜台北(タイペイ)

高雄(カオシュン) Kaohsiung 世界屈指の扱いを誇る港湾都市
高雄港

古くから天然の良港として知られる高雄港は、コンテナ積み出し港として世界屈指の規模を誇ります。対岸の旗津半島は元々陸続きでしたが、船を通すため1975年に切り開かれました。旗津へは名物のフェリーが10分おきに運行しており、渡ればそこは海鮮三昧。いけすのある料理屋、エビやシラスを山盛りにしている土産屋、イカの丸焼きの屋台などが、呼び込みの声も賑やかに遅くまで営業しています。

高雄湾 フェリー
高雄湾 フェリー
高雄湾 夜景
高雄湾 夜景
活魚店通り
活魚店通り
旗後灯台

旗津半島の先端にあるモダンな灯台。高雄港が諸外国に解放された1883年に、イギリス人を招いて建てられました。現在の灯台は、高雄港を重要拠点としていた日本政府が1918年に改築したものです。

旗後灯台
旗後灯台
旗津天后宮

高雄で一番古い廟。1691年創建。中国福建省の漁民が嵐で旗津に漂着した後、航海の神様「媽祖」を祀るため建立したといわれています。中国伝統の建築様式とあでやかな提灯が目をひき、夜は派手派手しいほどの電飾で別世界のよう。入口の小さな池は、願い事をかなえてくれるといわれています。

旗津天后宮
旗津天后宮
媽祖
媽祖
台東(タントン) Taitung 南国情緒あふれる原住民族のふるさと
自強号

高雄で台湾新幹線とお別れしたら、特急列車の自強号で南部を巡る旅がスタート。自強号は都市間輸送のホープで、車両がイタリア製、南アフリカ製、韓国製、イギリス製などバラエティに富んでいます。券売所で大小2枚の切符を渡されたら、小さい方は座席前の切符ホルダーに刺しておくためのもの。睡眠中に検札が来ても、起こされずにすむという便利なサービスです。

自強号
自強号
台東駅
台東駅
墾丁

台東へ向かう前に少し足を伸ばし、島南端の墾丁へ。台湾で最初の国家公園に指定されたビーチリゾートです。白い砂浜と透明度の高い海が600mも続く「南湾海水浴場」、「船帆石」などの奇岩が目を楽しませてくれる海岸風景、熱帯植物が生い茂る遊歩道、台湾最南端に立つ「鵝鑾鼻(ガランピ)灯台」など見どころが盛りだくさん。どこをとっても南国ムードと絶景尽くしです。

南湾海水浴場
南湾海水浴場
船帆石
船帆石
鵝鑾鼻(ガランピ)灯台
鵝鑾鼻(ガランピ)灯台
卑南文化公園

台東はもともと、原住民族の集落に開かれた町。そのため原住民族の人口比率が高く、先史時代の遺跡も残されています。その卑南(プユマ)族の遺跡を保存しているのが卑南文化公園。環太平洋最大規模の石板棺墓葬郡や装飾品が、1980に発掘されました。彼らは3000年も前に高度な石の加工技術を用い、刃物に匹敵する石器や石を板状に加工した棺、上部に穴の空いた謎の石柱などを造っていました。

卑南族(プユマ族)の家屋
卑南族(プユマ族)の家屋
花蓮(ホワリエン) Hualien 国家公園に指定される峡谷の玄関口
太魯閣峡谷

数百メートルも切り立った断崖絶壁、見下ろせば轟々と流れる急流。太魯閣は中央山脈から流れ落ちる立霧渓という川が、大理石の山を浸食して作り上げた峡谷です。素掘りした洞窟のようなトンネルや、岩肌にへばりつくように造られた道路はスリル満点。無数のツバメの巣穴に見える「燕子口」や、岩の裂け目から水が吹き出している「長春滝」など、見どころ満載の大峡谷が20kmも続きます。

太魯閣峡谷
太魯閣峡谷
燕子口
燕子口
阿美文化村

台湾で最も人口の多い少数民族、アミ(阿美)族の観光集落。半農半漁の生活を営み、素晴らしい歌や踊りの文化を持つ彼らの、伝統芸能や生活用具の展示などが見られます。華やかな民族衣装をまとい、狩猟の踊り、牛飼いの踊り、祭神の踊りなど生活に根ざしたテーマ舞踏や、結婚の儀式、豊年祭りの再現など見ごたえ十分。

阿美文化村
阿美文化村
太魯閣号

2007年、東部地区の利便性アップのため導入された新型特急。車両は日本製のTEM1000形。台湾では初めての振り子式電車で、カーブも減速せずに走行できる上、揺れも軽減されました。ビニールレザー張りのシートは、座席間隔も広く快適。乗車時間も従来より短縮されたので、台湾でも人気のある列車なのだそう。

太魯閣号
太魯閣号
宜蘭(ギラン) Yilan 肥沃な大地と水に恵まれた街
温圍溝公園

宜蘭は各地に温泉があり、人々は清の時代から温泉浴に親しんできました。「温圍溝公園」は、園内に足湯ができる憩いの場が点在しており、無料で楽しめます。手軽に旅の疲れを癒しながら、地元の人とおしゃべりするのもいい思い出に。普通に入浴する温泉施設もあり、こちらは台湾では珍しく水着なしで入れます。

温圍溝公園
温圍溝公園
宜蘭酒廠

米どころ・水どころでもある宜蘭は、お酒の産地としても知られています。「宜蘭酒廠」は100年の歴史を持つ製酒工場で、製造工程が見学できたり、お酒好きにはたまらない試飲のコーナーも。紅麹から造る紅露酒が有名で、中でも6年熟成させる老紅酒は上品でまろやかな口当たりが人気の高級品です。紅露酒入りのアイスキャンディーも、地元の人がまとめ買いしていくほど美味だとか。

紅露酒
紅露酒
酒蔵
酒蔵
台北(タイペイ) Taipei 激動の歴史を歩んだ台湾一の大都市
平溪線

台北から日帰りで渓谷めぐりが楽しめるローカル線。急勾配と急カーブが続く山道を、列車はゆっくり進んでいきます。台湾のナイアガラと呼ばれる「十分瀑布」、家の軒先すれすれを列車が路面電車のように進む「十分老街」、炭坑の名残や博物館などを、途中下車しながらのんびりと散策。どの場所も台湾らしさとレトロな雰囲気に包まれ、終着駅まで旅情たっぷりです。

平渓線
平渓線
十分瀑布
十分瀑布
十分老街
十分老街
忠烈祠

忠烈祠は、国に殉じた軍人を祀る廟のこと。台湾各地にある中で台北が最高位とされ、辛亥革命や抗日戦争の英霊30数万人が祀られています。外観もひときわ大きく壮麗で、本殿は北京の紫禁城がモデル。兵士の護衛が付いているのもここだけで、衛兵交代式は観光のハイライト。一糸乱れぬ一挙手一投足、ガチャン、ガチャン、という軍靴の響きに空気が張り詰め、観光客も思わず息を詰めて見守ります。

忠烈祠
忠烈祠
衛兵交代式
衛兵交代式
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