韓流ブームで人気の韓国。風情ある町々を高速鉄道で巡る!
韓国周遊1300キロ
日本で根強い人気を誇る韓国。今年、念願の自国開発高速鉄道KTX2が開通し、都市間の距離が一気に縮まりました。今回は首都ソウルからKTX2で釜山へ。港町の風情を満喫した後、光州、全州、水原など個性豊かな町々を巡ります。各地の移動には従来の特急列車も紹介。各地の魅力とともに、鉄道旅の醍醐味をお楽しみください。
韓流ブームで人気の韓国。風情ある町々を高速鉄道で巡る! 韓国周遊1300キロ日本で根強い人気を誇る韓国。今年、念願の自国開発高速鉄道KTX2が開通し、都市間の距離が一気に縮まりました。今回は首都ソウルからKTX2で釜山へ。港町の風情を満喫した後、光州、全州、水原など個性豊かな町々を巡ります。各地の移動には従来の特急列車も紹介。各地の魅力とともに、鉄道旅の醍醐味をお楽しみください。 朝鮮王朝の文化に触れて 釜山(プサン)〜光州(クァンジュ)〜全州(チョンジュ)〜水原(スウォン)〜ソウル釜山(プサン) Busan 韓国最大の活気あふれる港街PIFF広場釜山の旧市街に広がる映画街。PIFFとは、毎年10月に行われる釜山国際映画祭(Pusan International Film Festival)の頭文字です。通りには偉大な監督や俳優の手形がハリウッドのようにはめ込まれ、今村昌平監督やビートたけしのものも。ファーストフード店や屋台が軒を連ね、いつも若者や観光客で賑わっています。 PIFF広場 ビートたけしの手形 海雲台ビーチ韓国を代表するビーチリゾート。近年は釜山国際映画祭の会場として、野外イベントなども行われています。美しい砂浜が1.5kmにわたって弧を描き、海岸沿いには高級ホテルやおしゃれなレストラン、カフェ、大型ショッピングモールなどが盛りだくさん。名物のおいしいカルビや温泉も人気で、夏でなくても活気があふれています。 海雲台ビーチ 鎮海日本統治時代に軍港として開発された町。春には34万本もの桜が咲き乱れ、軍港祭りが行われます。日本軍のシンボルだった桜は終戦後に大半が伐採されましたが、後に鎮海の桜の品種は済州島原産であることが判明。再び植樹が推し進められ、現在の桜の都が復活したのだそう。祭は200万人もの人々が訪れる大規模なもので、期間中は海軍基地も一般に開放され、花見やイベントで盛り上がります。 桜 帝皇山公園からの眺望 鎮海の屋台 ムグンファ号韓国全土に運行されている急行列車で、ムグンファとは国花であるムクゲの意味。KTXやセマウル号が停車しない駅を補完的に結んでいます。座席はゆったりと特急並みに快適で、路線や運行距離に応じてスナックカーや寝台車が連結されることも。セマウル号同様に全車指定ですが、満席になると立席券も発売されます。 ムグンファ号正面 海雲台近くを走るムグンファ号 光州(クァンジュ) Gwangju 多くの文人を輩出した学問の町ソムジンガン汽車村谷城郡の旧谷城駅を中心とした鉄道公園。朝鮮戦争に翻弄される兄弟を描いた映画「ブラザーフッド」のロケ地になった所です。駅舎は文化財に指定され、周辺は1960年代の町並みを再現したオープンセット。写真館、劇場、仕立て屋、食堂など往時にタイムスリップしたような感覚が味わえ、映画を見た人なら感慨もひとしお。レプリカの機関車で1時間ほどの旅も楽しめます。 旧谷城駅 映画ロケセット レプリカ機関車の旅 和順支石墓跡光州の南東17km、和順に点在する青銅器時代の遺跡群。支石墓とは、石柱に上石を乗せた巨大な墓のこと。和順のものは、短い石柱と立方体の上石が特徴的な「南方式(碁盤型)」と呼ばれるもので、石柱が長くテーブル状の「北方式」と区別されます。支石墓は世界中にありますが、実は朝鮮半島に一番数が多いのだそう。和順だけで約500基あり、最近発見されたため保存状態も良いそうです。2000年、高敞、和順、江華の支石墓群跡として世界文化遺産登録。 和順支石墓群 KTXKTX2の導入以前、韓国鉄道に歴史的高速化をもたらしたKTX。サメをモデルとしたスマートな外観は、時速300km時代幕開けの象徴となりました。フランスTGVの技術を導入しているため、座席は車両の真ん中を中心に向かい合うヨーロッパ式。これが自由に回転もできず少々不評をかっていましたが、2012年以降、随時回転式座席に交換していくそうです。 KTX(初期型) 陸橋を渡るKTX(初期型) 全州(チョンジュ) Jeonju ビビンパプ発祥の、味と文化の都韓屋村食べ物が韓国一おいしいという全州。特にビビンパプは、韓国の無形文化財に指定されるほどの逸品です。朝鮮王朝を開いた李氏発祥の地でもあり、古い建物や伝統文化も見どころ。韓屋村は昔ながらの韓式家屋が800戸以上保存されている文化特区で、瓦屋根の家並みは日本人も郷愁を覚える風景です。韓屋ならではのオンドル(床暖房)部屋に宿泊したり、キムチ作りなどの生活体験もできます。 韓屋村の街並 キムチのカメ 慶基殿、梧木台慶基殿は1410年、朝鮮王朝の始祖である李成桂の肖像を奉るために建てられました。中には肖像画を運んだ輿などが保管されています。そばには観光案内所があるので、韓屋村散策のスタート地点としておすすめです。高台にある梧木台からは、全州の街や韓屋の家並みがまさに一望。李成桂が倭寇をやぶった帰りに、凱旋の宴を開いた場所といわれています。 慶基殿 李成桂 梧木台 全州伝統文化センターさまざまな文化体験プログラムを用意している文化センター。ここではぜひ、世界無形文化遺産のパンソリを見たいもの。太鼓の伴奏と歌い手がペアで奏でる、ストーリー性のある民族歌謡です。風刺や恋愛、庶民の悲喜劇などが身振りを交えて劇的に語られ、観客も合いの手を入れ一体となって盛り上がります。他にも伝統楽器、韓国独楽など子どもの遊び、韓国料理などの体験が可能。伝統儀式に則った結婚式を挙げることもできます。 世界無形文化遺産パンソリ 水原(スウォン) Suwon 美しい城郭と歴史の町水原華城李氏朝鮮22代国王の正祖が、父の墓を水原に移し、周囲に城郭を築いたのが水原華城。ドラマ「チャングムの誓い」のロケ地となった宮殿「華城行宮」を囲むように、5.7kmに渡って城壁や楼閣、城門が築かれています。当時の建築技術の粋を集め、さらにヨーロッパの技術も導入。それは石材とレンガが併用されている点に見ることができます。建設には2年間と37万人もの労力が費やされ、1796年に完成しました。1995年、世界文化遺産登録。 華城行宮 水原城壁 世宗大王陵世宗大王とは、1万ウォン札にも描かれている韓国の英雄。李氏朝鮮4代国王にしてハングルの生みの親、学問、軍事、政治などあらゆる分野に精通し、歴代国王の中で最も名君と尊敬を集めています。「英陵」とも呼ばれる王の墓はソウルから車で1時間ほどの驪州にあり、数々の業績やハングルの資料を展示した「世宗殿」が併設されています。 世宗大王陵 世宗大王陵のお祭り ソウル Seoul 人口の4分の1が集まる首都世宗大王像世宗大王はさまざまな国家プロジェクトや施設にも名前が使われるほどの名君で、各地に像が造られています。中でも2009年、ソウルの光化門広場に完成した銅像は、高さ6.2m、幅4.3m、重さは20tと最大級。左手にハングルについて解説した「訓民正音」を持ち、民衆に教えを説いている姿なのだそう。像の地下には近代的な体験型展示ホールがあり、世宗ミュージアムといった趣き。ソウルの新しい名所となっています。 世宗大王像
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