映画

遠い声、静かな暮し

とある労働者階級の一家のつましい暮らしぶりを、さまざまな楽曲を織り交ぜながら情感豊かに描いて絶賛を博した、今は亡き英国の名匠Ｔ・デイヴィス監督の長編第１作。

寡作ながら「ネオン・バイブル」などの忘れがたい名作を残し、2023年、77歳でこの世を去ったデイヴィス監督。そんな彼が、1988年、自らの生い立ちをもとにした本作を発表して長編劇映画監督デビュー。1940～50年代のリバプールを舞台に、とある労働者階級の一家が経験する人生のさまざまな出来事を、当時のヒット曲などを全編にちりばめながら情感豊かに描き出し、数々の映画賞を受賞。2011年に雑誌「タイムアウト」が発表した英国映画のオールタイム・ベスト100では第3位に選出された。