映画

香港の流れ者たち

香港映画新世代の俊英ジュン・リー監督が放つ社会派ドラマ。実際に起きたホームレス荷物強制撤去事件を下敷きに、再開発の陰で排除されるホームレスの現実をリアルに描く。

長編初監督作「トレイシー」が第31回東京国際映画祭「アジアの未来」上映作品に選ばれるなど、香港映画新世代のひとりとして注目されるジュン・リー監督による長編第2作。2012年に起きた「通州街（トンジャウ）ホームレス荷物強制撤去事件」を下敷きに、人間扱いされないホームレスたちや彼らに蔓延する薬物依存、移民問題などの社会問題が浮き彫りにされていく。一方、過酷な状況の中で互いを思いやる心や人間の尊厳が描かれ、社会派ドラマとしてだけでなく、ヒューマンドラマとしての余韻も引き出している。