映画

マッチ工場の少女

誰からも愛されない薄幸な少女の姿を冷めた視線で痛切に描き、数多くの映画賞を受賞。フィンランドの名匠Ａ・カウリスマキ監督の名を広く世に知らしめた彼の代表作の１本。

「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」に続いてカウリスマキ監督が放った、＜労働者3部作＞の掉尾を飾る傑作。本作で主役を務めるのは、おなじみの常連女優K・オウティネンがハマリ役で演じる、マッチ工場で働く孤独な少女。家でも職場でも単調で味気ない日常生活を送る彼女が、ある日見知らぬ男性と一夜を過ごし、つかの間の幸福を味わうものの、その後冷酷な現実と直面してすっかり幻滅。その末に彼女がある思い切った行動に打って出るさまを、同監督ならではの皮肉を効かせて痛切に描き、国内外で絶賛を博した。