映画

文学賞殺人事件 大いなる助走

鬼才・筒井康隆の問題小説をもとに、文壇にはびこる権威主義とそれに追随する人々が織り成す悲喜劇を、鈴木則文監督が痛烈な皮肉と風刺をこめて描いたブラックコメディ。

同人誌に掲載された小説が権威ある文学賞の候補となった新人作家の市谷。文壇の裏事情に精通する世話人の助言に従って、市谷は賞の選考委員たちのご機嫌取りに励むが、それは地獄の日々の始まりでもあった……。直木賞3度の落選歴を持つ筒井がその実体験をもとに発表し、物議を醸した小説「大いなる助走」を、鈴木監督が映画化。文学賞を取るために奔走する主人公を若き佐藤浩市が熱演。原作者の筒井も劇中出演するほか、石橋蓮司、小松方正、山城新伍ら、豪華多彩な共演陣がアクの強い個性と存在感を存分に披露。