映画

バカ塗りの娘

堀田真由、小林薫らが共演したヒューマンドラマ。引っ込み思案の娘は、寡黙な職人の父親を手伝いながら“津軽塗”職人を目指す。ばらばらになった家族の再生を描く感動作。

第1回暮らしの小説大賞を受賞した髙森美由紀の原作を、第23回PFFスカラシップ作品「過ぐる日のやまねこ」や「まく子」の鶴岡慧子監督が映画化。津軽塗職人を目指す娘・美也子役の堀田と、寡黙な職人の父親・清史郎役を演じる小林は実際に地元の職人から津軽塗の技法を教わって役作りしたという。そんな2人の自然なたたずまいが魅力で、鶴岡監督は“バカ塗り”と呼ばれる津軽塗が漆を何度も塗り重ねていくのと同様、娘と父の心の揺れ動きで丁寧な演出を披露。父娘が互いを意識しながら漆を塗る姿が美しい。