映画

エリ・エリ・レマ・サバクタニ

謎のウイルスの蔓延により、死に至る奇病が世界で進行する中、希望はまだ地上に残されているのか？　青山真治監督が豪華多彩なキャストの共演で放った異色の近未来ＳＦ。

2022年3月、食道がんにより惜しくも57歳で急逝した青山監督。その彼が、主イエスが磔となった十字架の上で唱えた最期の言葉というヘブライ語（その意味は「神よ、何ゆえにわれを見捨てたもうや」）を題名に付けて2005年に発表した、なんともユニークな近未来SF。「Helpless」の浅野忠信と「EUREKA　ユリイカ」の宮﨑あおい、ミュージシャンで作家の中原昌也、現代日本文学の奇才・筒井康隆ら、豪華多彩で異色の顔触れがそろったキャスティングの妙や、斬新な音響表現が何よりの見もの。