アジアを代表する世界的文学者・魯迅と日本人との交流を描いた井上ひさしの評伝劇の最高峰。栗山民也の新演出で、魯迅を野村萬斎、その妻を広末涼子が演じた話題作。
劇作家・井上ひさしが座付き作家だった劇団「こまつ座」によって1991年に初演され、その後も1993年、2010年と再演を重ねている人気作「シャンハイムーン」。日中戦争開戦前の中国 上海を舞台に、中国の文学者・魯迅が彼を慕う日本人たちと交流するさまを、ユーモアを交えて描いた評伝劇。番組は2018年3月、世田谷パブリックシアターでの上演の模様をお届けする。【ストーリー】
上海で書店を営む内山完造(辻萬長)と妻のみき(鷲尾真知子)は、日本人でも中国人でも本を読む人に悪人はいないと考える気のいい夫婦。ある日、完造は近くの開業医・須藤五百三(山崎一)を呼ぶ。交友のある文学者・魯迅(野村萬斎)がやって来るので、彼の病気を治してほしいというのだ。思想的に問題があるとして国民党特務機関から追われる魯迅は、数度の潜伏生活がたたり多くの病気を患っていた。魯迅文学の熱烈なファンである須藤は光栄とばかり大喜び。だが、魯迅は無類の医者嫌いだった。
そこへ魯迅と妻の許広平(広末涼子)がやって来る。須藤は、医者という素性を隠すため日本から来たファンと名乗り、握手をするふりをして脈を取るなど奮闘。後日、同じ理由から肖像画家と称して魯迅に接近する歯科医・奥田愛三(土屋佑壱)も現われる。そもそも、魯迅はかつて医者を目指していた人物。医者嫌いには何か訳があるはずだと須藤はいぶかる。
収録日・収録場所
- 2018年3月3日/東京 世田谷パブリックシアター
出演
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野村萬斎
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広末涼子
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鷲尾真知子
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土屋佑壱
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山崎一
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辻萬長
スタッフ
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作井上ひさし
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演出栗山民也