吉田大八監督初の書き下ろし舞台。かつて自身が映画化した実在の結婚詐欺師クヒオ大佐、その妻を描く物語を宮沢りえ主演で演出。度肝を抜くラストシーンは必見。
クヒオ大佐とは、1970年から90年代にかけて“米空軍パイロットで、カメハメハ大王の子孫で、エリザベス英女王の親類”を自称し何人もの交際女性から多額の金を騙し取った結婚詐欺師。ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐を名乗っていたが、れっきとした日本人だ。そんなクヒオ大佐に妻がいるらしいと知って作品化を思い立ったのが映画監督の吉田大八。吉田が主演に選んだのが映画、舞台、ドラマ、CMと多方面で活躍中の宮沢りえだ。吉田の監督作品『紙の月』に宮沢が主演して以来交流を続けていた2人が、クヒオ大佐の話題で盛り上がり企画が始動したという。クヒオ大佐の妻や周囲の人々の姿を深く鋭くえぐった本作、特に驚愕のラストシーンは必見だ。【ストーリー】
古いアパートの一室に一日中ミシンを踏む女・早川夏子(宮沢りえ)がいた。彼女は洋裁の腕を頼りに生計を立てている。その部屋に宅配便業者の男・今井(岩井秀人)が荷物を届けるが、今井は偶然にも夏子の過去を知っていた。彼は夏子と同じアパートに住む少年・シンイチ(水澤紳吾)から夏子の夫が“クヒオ大佐”だとの噂話を聞く。実はそのアパートの部屋には、クヒオに騙されたという女・佐知江(川面千晶)が監禁されていた。夏子はひたすらクヒオを信じて待つ。
やがて、部屋はさまざまな奇跡で満たされていく。
収録日・収録場所
- 2017年5月31日/東京 東京芸術劇場 シアターウエスト
出演
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宮沢りえ
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岩井秀人
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川面千晶
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水澤紳吾
スタッフ
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作・演出吉田大八