三谷幸喜の新たな挑戦が傑作を生んだ。これは緻密に計算されたサスペンス?それともコメディ?ささいな“嘘”から巻き起こる驚愕の展開と、誰も予想できない結末。
三谷作品といえば、ワンシチュエーション・コメディがその代名詞となっているが、今回はそれと様相を変え目まぐるしくシーンが変わる。「映像作品の台本のつもりで書いた」と語る三谷は、シーンの切り替えを映像と同じようなテンポで見せるためにはどうすればよいかなど、演出面で苦労したという。その結果、リアルなセットが多かったこれまでの三谷作品とは一線を画す、斬新な舞台美術を採用、二方向を客席に挟まれた舞台となった。三谷の新しいチャレンジが詰まった作品。【ストーリー】高校教師の夫(段田安則)と雑誌編集者の妻(優香)が、購入したマンションに引っ越してきた。夫婦は、隣の夫婦宅を訪ねることに。隣家のご主人(栗原英雄)は公務員でその妻(戸田恵子)は専業主婦。隣家の中は猛烈な汚臭が充満しており、臭いの元は飼い犬の老犬だと分かる。夫婦は部屋の臭いには閉口するものの、隣家夫妻の人柄は感じが悪いわけでもなく、今後の付き合いも考え臭いの話は差し控えることに。
ある日、妻は隣家の奥さんの万引現場を目撃してしまう。夫に相談したところ見なかったことにするよう言われたが、妻は納得できない。妻は隣家のご主人の耳にだけは入れておいた方がよいのではと提案し隣家を訪ねるが、隣家のご主人はそれを否定。この事件を発端に、2組の夫婦の間に微妙なズレが生じはじめていく。
収録日・収録場所
- 2017年4月6日/東京 東京芸術劇場 シアターイースト
出演
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段田安則
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優香
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栗原英雄
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戸田恵子
スタッフ
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作・演出三谷幸喜